高校野球

今年の夏の高校野球は55校参加で少し早めの8月2日から開催されるんですよねえ。
最近は、数年前ほどあからさまな「金で全国から選手をかき集め」のチームはないそうです。裏金騒動とかもあるんだろうけど、それ以前から「金で選手をかき集めて、地元出身選手がいない状態で高校野球で名を上げても生徒募集に繋がらない。むしろちゃんと教育が行き届いているのかと疑問視されて逆効果」と言う理由でかき集め路線を修正する高校がほとんどなのだとか。ていうかいつだったかの日経新聞で「野球部をいくら強くしても費用対効果は明らかにマイナス」っていう記事が出ていたので「怪しいブローカーに踊らされてきた学校が実態に気付き始めた」と言うのが正しいのかも。
もちろんやり過ぎなのは学校の存在意義に疑問がわくし、かと言って「越境入学してでも自分の尊敬する指導者の元で野球を学びたい」っていう子供は有りだと思うんですよね。別にきっちり枠組み作らなくてもバランス感覚とか自治能力に長けているのが本来の日本人だよなあと思う。「たかがガキの部活動」でもあり「とても完成度の高いエンターテインメント」でもある。


と言う訳で最近読んだちょっといい話。

 ◇部員1人、堂々の行進 スタンドから大きな拍手−−御所東・杉本尚士選手

 「拍手が多くて、めっちゃうれしかった」−。杉本尚士選手(17)は、開会式で御所東・野球部員として1人で入場行進した。部員不足のためチームは出場できなかった。3年間の野球部生活で最初で最後となった公式ユニホーム。背番号は「1」。試合は一度も経験することがなかったが、杉本選手が入場するとスタンドから大きな拍手が起こった。

 野球部は創部46年目。部員不足のため最近5年間、公式戦への出場実績がない。昨夏まで1年上の先輩部員と2人で野球部を維持していた。統廃合で来春から御所実に校名変更し、御所東は廃校となる。「野球が好き」の一心で杉本選手は部員一人でも練習を続けてきた。同級生13人や教師らがスタンドで「いつまでも忘れないでください御所東高」の垂れ幕を掲げた。共に練習してきたのが監督の太田悦可教諭(45)。放課後のグラウンドで毎日練習する杉本選手とキャッチボール、打撃練習などの相手になってきた。太田教諭は前任校の山辺高校ではライフル射撃部の顧問だった。9年間務めてインターハイで団体1度、個人2度の優勝に導いた。
グラウンドを使う部活が野球部以外になく、広々としたグラウンドに「さあ来い! ナイスボール!」と二人の声が響く。打撃練習では練習時間より方々に散らばったボールを拾い集める方に時間がかかると二人は笑う。太田教諭は「辛抱強く、腐らずによくやってきた」と杉本選手に感心する。

 開会式が終わり御所東グラウンドではグラブを手にした教師5人が守備についた。「一度だけでも野手が守っているところで打たせてやりたい」と太田教諭が他の教師に呼びかけた。

 杉本選手は「先生たちが練習に出て来てくれてうれしかった。今日は、いろんな人が応援していてくれたのが分かった」と話した。
・・・日曜日とかに暇な大人に協力頼んでシート打撃ぐらいやらせてやれよとも思うけど、とにかくかわいい話だ。この学校が大分県だったりしたらまたあれなんだけどととか言わない。みんな頑張れ。