罰

アメリカで、金融安定化法案が下院で否決されたと言う話。

これですね。住専問題の時の中坊公平氏の言葉
「住専七社の倒産については、住専七社の経営責任であるとか、それを作ってきた母体行であるとか、農協系も含めた様々な金融機関、あるいはそれを知る大蔵省に責任があるわけで、七社の倒産に関して一般大衆は何の責任もありません。にもかかわらずそれを税金で賄うと言う事は『罪無くして人を罰する』ことであります。無罪の人を有罪にすると言う事は司法の世界では決してあってはならないことです。」
これで全て語れちゃうと思うんですね。回収できる見込みの低い商品をガンガン無責任に売った人間と支払える見込みのないローンを平気で組んだ人を全く咎めずに国民だけを罪人として罰金を取ると。ある日突然警官が家を訪ねてきて「すいませ〜ん。どこかの知らない人が確信犯的に投資に失敗しちゃいました。全く関係のないあなたが罰金を払いなさい。その金で失敗した人を救うから」と言われて「そうですか！喜んで払います!」と言う人がいるとでも思うのか。
要するにブッシュはアメリカの全国民を犯罪者扱いしているも同然な訳ですよ。納得できるだけの説明をする義務があるのは当然でしょう。どう考えても無理だけど。
どうしても公的資金を導入したいなら「この国では株屋と銀行屋と政治屋だけが特権階級で他の人間は全て奴隷です。ご主人様の罪は奴隷が背負います。奴隷はご主人様のためにその財産を全て差し出しなさい。この愚民どもめが」と言うべきでしょう。そういう社会形態を是認する国民で成り立った国なら金融安定化法案も筋が通っている。
ほとんどの「自称：知性派」の人は「知的レベルの低い市民が感情論を振り回して経済の安定を妨げている」みたいな論調なんだろうけど、それでいいのか？と僕は思いますけどね。