ベイスターズに提言&落合博満を再評価

さて、http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20071104の日記の続きです。
の、前に。折角資料提供してくれたshigeさんの話から思い出したんですけど、落合博満と言う人は確かに細いバットを使用していた人ですけど、数年前にグリップエンドから小指を余らせる握りが流行った時にあれを否定したのが落合なんですよね。
小指を余らせるのはバットコントロールをよりし易くするためのものですけど、これを否定するのはやはり「中途半端に当たっちゃうくらいなら空振りした方が良い」と言う考えだと思うんですよね。
ちなみに落合博満最初の三冠王時の三振率は.070。呆れるほどに低いですけどこの前年が4年連続首位打者を逃しノンタイトルに終わった年で、この年の三振率は.058。これは異常。イチローが.113ですから。
落合と言えば東尾との「ビーンボール→ピッチャー返しでお返し」という才能の無駄遣いやり取りが有名ですけど、その気になればただバットに当てる事なんて簡単な人なんですよね。元々セカンド守っていて好打者タイプの人だし。天が二物(パワー)を与えちゃったために評価がややこしくなっちゃったお人ですから。その人が、結果だけ見ると
「三振をしないバッティングを追求していくうちに、その完成点が唯一のノンタイトルと言う皮肉な結果に→三振にこだわらなくなった結果三冠王
となるわけですよ。実際どうかは分からないですよ?空振り率とかまで検証しないと意味無いでしょうし。でも今年のセリーグが「三振が多いチームが強い」と言う事実がある以上一応の説得力を見ておきたい。これって「飛ばないボール」を昨年から使い始めた事と関係あると思うんですけど、この話は「〜ディフェンス編〜」に続く。
落合に関しては、日本シリーズの継投で話題になっちゃったけどあれはともかくとして、曜日ごとのローテーションを組んだりとか独特の筋に通った理論があるんですよね。僕の中では広岡、森、野村程度より遥かに知将だと思うんですよ。


さてベイスターズの話。
今年の数字を検討してみた結果私が来年の横浜ベイスターズに期待したい事は
「ヒットエンドランを多用しろ」
です。
ファンの間で必ず言われるのが「もっと機動力を活かせ」と言う事。まあ確かにそうなんですけど、盗塁数だけ見て単純に比較するのは芸が無いと思うんですね。
ここでは「本拠地がそれほど広くないのに二・三塁打がかなり多い」と言う事を注目していきたい。これは、走力やベースランニングの技術ではむしろ優れていると言う解釈をしても良さそうな部分。これに「とびぬけた三振数の少なさ」つまり当てる技術の飛び抜けた高さを加味すると・・・
数字で見る限り二番石井は(来年も二番に座る保証は無いが)球界トップレベルの「当てる技術の高さ」を持つ選手。さすが女子アナからアイドルまで高打率を誇るだけの事はある。ならば送りバントが下手な琢朗に無理にバントさせるより、エンドランを仕掛けていった方が良いではないか。ランナーが走ると言う事は塁間が広く開くということなのでそれだけヒットになる確率も上がるし、凡打に終わっても併殺の危機を回避できると言うもの。他の選手も全体的に三振率は低いんだからどこからでもチャンスメーク可能。
なにより、二・三塁打数の多さを考えれば「一塁からワンヒットで一気にホームへ」という痺れる場面が何度も見れる可能性もあるわけだ。極めて高い次元の要求ではあるけれど、「横浜ベイスターズが他に比べて優れている点」から考えたらこの道を探るのが得策と思う。盗塁に関しては必ずしも効率が良いとはいえない戦術と言う説があるので、ベイスターズには是非こういう機動力野球を見せていただきたい。
言ってみればひたすら打ち捲くる「マシンガン」でも、溜めてドカンの「バズーカ」でもない、複数の選手が動き回るアメフトの戦術から借りて「ショットガン打線」
どうよ、格好よくね?