主食

http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20080224
↑前回書いた話の続きです。
このブログは、ごらんいただいてお分かりになるように必要以上にいろんな事に触れて無軌道なんですよね。多分、一つのテーマに絞って可愛いテンプレ用意して、画像をたくさん貼って、時には動画も貼って、相互リンクとトラバを大量乱射するのが「正しい人気ブログの作り方」なんですよね。ウチはそれを全部わざと無視してます。別にアクセス稼ぎたいわけじゃないんで。何かの電波を受信して喜んで毎日観に来て喜んでくれる人がいればいいんで。


という訳で一年間やってるとさすがにいろんな検索でたどり着く人がいるので一応軽く自己紹介すると、基本的には競馬好きの元パン生地開発職人のブログです。馬の話とパンの話を基本にする予定で始めたので「うまぱん」。単なるレシピを紹介するだけでなく、「こういう失敗をしてしまったのだがどう直せば良いか分からない」「こんな食感のパンを焼きたいのだがどうしたら良いか分からない」という人に実例を紹介するためのレシピを作っていこうという趣旨のサイトを運営していて、このブログは一応そのサイトへの客寄せブログです。全然寄せてない気もしますが。むしろ突き放している気もしますが。ちなみにサイトのアドレスは
http://www1.ocn.ne.jp/~ribot/
です。むしろパン作りを趣味にしていない人への知的好奇心刺激コラムという性質で書いているので、全くパン作りに興味ない人も是非遊びに来てください。って物凄く久しぶりに自分宣伝した気がするぞ。


で、ようやく今日の本題ですけど、先日パン作りを始めてみようという方から
ハンバーガーのパン生地を作ってみようと思うのですが、どのような生地が良いのでしょうか」
というご質問をいただいたんですよ。
で、僕は
「一般的にはハンバーガーのバンズは思いっきり生地を作りまくってボソボソの崩れ易い生地を作ります。これはおそらく、ハンバーガーはひき肉を寄せ集めた物であり、肉としては容易に噛み切れる食べ物であり、その食感に合わせた物だと思います。ただし、それはあくまで世間で勝手にそう決めているだけの物であって、肉料理なんだから噛めば噛むほど味が出てくる物。手作りのハンバーガーを挟むなら、むしろフランスパンのような生地でハンバーガーを作って、しっかり噛んで味わえる生地にするのも面白いと思いますよ。要は教科書にどう書いてあるかではなく自分がやりたいものに対する必要な知識を自分で考えて拾えば良いのです」
とお返事しました。その後試行錯誤しながらフランスパンで美味しいハンバーガーを作ろうとされているみたいなので、元気に美味しいパンを焼いてくれて報告してくれるを楽しみに待っています。フランスパンといってもカンパーニュのような大き目のフランスパンを焼いて薄くスライスするのが面白いと思うんですけどね。
というやり取りをしている時に友人と会う機会があってですね。スペインに長く住んでいたこともある海外経験豊富な友人なんですけど、メガマックの話になって
「日本のマクドナルドのパン生地と海外は絶対に違う。特にアメリカは絶対に違うと思う。パンとしてはアメリカの方が美味しかったと思う」
という話になったんですよ。これ面白いなと思ったんですね。
「日本人の主食の食感の好みの違い」という点で観ると、20年前くらいからササニシキが一気に暴落してコシヒカリ系が一大勢力になってるんですよね。って、あまり良い資料が見当たらなかったからしっかりした数字出せないのでむしろ教えて欲しいくらいなんですけど、大きな流れとしてこれは間違ってないみたいです。
前回話した通り、ササニシキはあっさりした食感で味の淡い和食向け、コシヒカリはモチ米系と掛け合わせて品種改良が進んだ、モッチリ食感の、味の濃い洋食向けとされているわけですけど、もしマクドナルドが日本進出する際に日本人向けにバンズを改良したのなら、その時点での日本人の嗜好にあわせるなら当然ササニシキ的価値観に重きを置かれたはずなんですよ(日本のマクドナルド一号店は1971年開店)。そう考えると私の友人が「日本とアメリカではマクドナルドのパンの味が違う。そしてアメリカの方がパンがしっかりしていて美味しく感じた」と感じたのは理屈に合うと思うんですよね。現在の価値観ならアメリカの価値観の方がアドバンテージあってしかるべきなんで。まあ僕は海外行った事がないし、マクドナルドのバンズの開発をした事は無いので全て推測ですけど。
要するに日本人は何事もアジャストする能力において間違いなく世界最強という事とパンというものはある程度理解できると食感一発でバリエーションを付けられる。そしてそれこそが最大のプライオリティということを言いたいわけですね。
そして、ササニシキ的な方角に振った主食(パン)というもののレシピをちょっと作ってみようかなと思っているんですね。
という訳でこの話、まだ次回に引っ張ります。