思い出し話

さてもう春ですね。地球寒冷化のせいで全然春らしくないけど。
そして春といえば別れの季節。フサイチリシャールがまたもやヤツに壊されて・・・とかそんな事はどうでもいいのですが、突然思い出したさらにどうでもいい話。

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大学の卒業式の時にですね。サークルの後輩が追いコンをやってくれたんですよ。
まあ普通に話をして無難に終えたんですけど後輩たちから「先輩!まだ全然話したりないからもう一軒行きましょうよ!!」と言われたんですよ。まあ形だけの追いコンでは話し足りないとまで慕ってくれるなら断わるわけもないので次の店へと向かったんですけどね。
テーブルを囲んで「何だ結構来てくれたんだな」と思って良く観ると卒業生は俺だけで、後輩20人くらい(全体の1/3くらい?)いたんですけど全員男なんですよ。おかしいなあ。確か男女比1:1くらいのサークルだったはずなのに。まあ僕は女子には痺れるくらい嫌われるんですけど男の後輩には何故か懐かれるんですね。甥っ子から年上まで幅広く。まあ要するに「ナメられ易い」って事だと思うんですけど。
僕は基本的に大勢の飲み会というのは義務的な感じがして嫌いなんですけど、まあ全員自発的に来てくれた飲み会だけあって結構楽しかったんですよ。で、「みんなありがとう!楽しかったよ!」みたいな感じで先に外で待っていたんですけどね。
何かが割れる音と怒号と、「逃げろ!!」っていう叫び声が聞こえて危険を察知してダッシュで逃げたんですよ。
で、逃げ足速い連中と安全な所まで逃げてから何があったのか話を聞くと「帰ろうとしたら、隣の席につまみが大量に余っていたから、どうせ捨てるんだろう、もったいないから食べちゃえと思って食べていたら店員に『お客様、そちらのおつまみの料金もいただきます』と言われて、皿を投げつけて、看板を蹴り割って逃げてきた」って言うんですよ。その店は坂の下にあるんですけど、確かに角を曲がって後輩が逃げてきて、その後ろから店員らしき男が追いかけてきてるんですね。


「・・・お前ら俺の卒業を祝福する気一切ないだろ」
「いや〜先輩の事は本当に尊敬してます!!」


みたいな会話をしていると、最初何言ってるのか聞こえなかった声がドップラー効果を伴って段々聞き取れるようになってきて、後輩がホッケとか咥えて逃げてくる後ろを「てめえ、殺すぞ!!」とか店員が絶叫しながら、サンダルを脱いで走って追いかけてきてるんですよ。


「いや〜見てください先輩。あれがお魚くわえたドラ猫追っかけて裸足で駆けてく愉快なサザエさんですよ」
「うん。ていうか、お前ら俺の卒業を祝福する気一切ないだろ。あと全然愉快じゃないから。」
「いや〜あいつらこの一年で成長したな・・・。全部先輩のおかげですよ!!」
「いや俺サザエさんとか教えてないよね?ていうかむしろ盗み癖直せって指導したはずだよね?居酒屋で灰皿を何食わぬ顔で靴下に入れてパクって来る裏技とか俺教えてないよね?」
「いや〜。それより俺もう終電無いから、あいつら放っておいて○○の家で打って行きましょう!!先輩と麻雀できるのもこれで最後か・・・」


みたいな無茶な会話をして結局後輩の家で徹マンだったんですよ。まあ大学が大学なんでお金持ちも多くてですね。そいつの家にはでかい庭があって、そこにせり出すように麻雀部屋があるんですよ。サンルーフの。
で、勝手に夜中に押しかけて麻雀やってるだけでもかなり失礼なのに朝ちゃんと朝食まで用意されてですね。「これが成金じゃないリアルセレブだ」と言わんばかりのお上品な奥様から「いつも○○がお世話になっておりまして・・・」とご丁寧なご挨拶されたんですけどね。
そいつ、俺たちに振り回されて麻雀ばっかりやっていたせいで留年した事を親に言い出せずにいたんですよね。それを知っていた俺たちは冷や汗出ましたね。あれが針のむしろと言うヤツかと。


そんな超下らない思い出話でした。ちなみに僕は超人間嫌いなので、そいつらとはその後一切会っていません。終わり。