猪木鬼だ。

「猪木鬼だ」っていう見出し知ってます?東スポの一面で、節分の日に猪木が養護学校だか何だかに慰問に行ってこれからみんなで楽しい節分豆まき大会をやりましょうっていう時に、猪木が「俺は用事があるから」とそそくさと退場。みんな猪木さんとの交流を楽しみにしていたのにがっかり・・・の所に突然鬼のコスプレをした猪木が物凄い形相で乱入してきたという、猪木ツンデレイベント。あの顔最高だったなあ。


Gyaoで「新日本プロレス名勝負集」というのをやっていて久々に猪木×長州を観ました。やっぱ最高だなあ。
この試合、長州力が試合中に手首のバンテージから突然出血するんですよ。別に攻撃された訳でも無いのに出血するからみんな「?」になるんですけど、これって
普通プロレスの流血試合はレフェリーが見えないようにこっそり選手の額をかみそりの刃で切って流血を演出する。
→ところが長州はレフェリーを信用していないので、自分でかみそりで額を切る用に手首のバンテージの中にかみそりを仕込んで試合をしている。
→試合中に何かの拍子でかみそりがずれ、自分の手首を切ってしまい謎の流血。
っていう流れなんですよ。今見返したらテレビ中継では山本小鉄が「靴ヒモで手首を切りましたね。良くある事なんですよ」って冷静にコメントしてたけどそんなわけねえだろ!!そんな危ない靴があったら大変だよ。PL法違反どころの騒ぎじゃない。
という訳でともかく長州が猪木をバックドロップで投げた直後にいきなり長州が出血するんですよ。まあ実際の台本がどうだったのかは知らないですけど、明らかにアクシデントでもう当初の予定通りの結末にするには無理があると判断したんでしょうね。
猪木がどうしたかというと、まず場外に落ちて「何もそこまで」と思うくらいの大流血をするんですよ。女性客の大きな悲鳴が轟く位に。そして、長州に執拗にスリーパーを仕掛け続けて二人とも血まみれになって、レフェリーの静止も聞かずに狂ったように締め続けて強引に試合を終わらせてしまうという力技。めでたく長州は不自然な事無く血まみれになったし、猪木の暴走に気を取られてお客さんは試合中の不自然な流血などすっかりどうでも良くなり見事に成功!!
どうよこのアドリブ。「プロレスは予め結末が決まっているからコント」とか簡単に言うヤツが多いけど、ここまでのアドリブでアクシデントを上質のエンターテインメントに転がせる芸人なんて他にどこの世界にいるんだよ。みたことねえよ。そもそもエンターテインメントというものはガチもヤオも混合しているものでしょ。金八が加藤と松浦をぶん殴るシーンとか、もちろん台本の通りの演技なんだけど間違いなく金八は本気で怒っているし、後ろの不良のビビリ顔とか完全に演技超えてるだろ。最近の雑誌で高坂剛が猪木×ペールワン戦を解説して猪木のガチの強さを認めてるし、「台本があるから演技」とかしょぼい事言ってると本質を見失うっつーの。


ちなみに僕は、前田日明が「藤波さんとの試合の時、大車輪キックをやってふと見たら藤波さんが大流血してたから『あれ?俺台本間違えてたかな?こんなの予定にあったっけ?』と思ってレフェリーの高橋さんに『またまた〜俺を驚かそうと思ってアドリブで額切ったりして〜(笑)』って言ったら高橋さんが『違う違う!俺は何もやって無いよ!』っていうから改めて藤波さんを見たら完全にグロッキーでふらふらしてたんだよね。それを見て初めて『あぁ、俺の蹴りが深く入りすぎちゃったのか・・・』と思った」と語っているのを目の前で聞いたことがあるので、「プロレスは予め結末を決めている」というのは情報に騙されている訳ではなくソースがあるのであしからず。