さて血統のお話。

良く考えたら、ひょっとして僕「ナスルーラ×ノーザンダンサー」の血統の自説を詳しく書いてなかったんですよね。



春天アドマイヤジュピタが勝った訳ですが、この馬はフレンチデピュティ産駒。通常なら「スピードに勝っていてスタミナはあまり無い」とされるタイプの血統ですよね。
この種牡馬から何故平地最長距離G1勝ち馬が誕生したのか。「こいつはリアルシャダイだから例外。語るだけ無駄。」は無しの方向で考えてみたいと思います。
ところでですね。「えぇ〜!フレンチが春天勝っちゃうの?」というこの感覚。近年何度も感じていると思うんですよ。そう。ミスプロ系のエルコンドルパサーエンドスウィープ産駒ですよ。
本題に入る前にフレンチデピュティですけど、昨年の新潟大賞典で1,2着だったんですよね。あとは府中1600や1800で強い事も知られている。この事から「フレンチは直線長いコースでコーナー2回のコースが超得意」と認識している人は多いはず。
で、この理由を亀谷敬正氏は「ナスルーラノーザンダンサーの組み合わせだからこういうコースに強い」と解説しているんですよ(父ノーザンダンサー系で母母父ナスルーラ系)。ほうなるほど。
それならば、どこもかしこもだだっ広くなっちゃった今の日本の競馬場でフレンチの勢いが止まらないのも止む無しかなと。
で、ですね。上にあげた2頭の種牡馬を考えると、エルコンドルパサーはまず母がサドラーズギャル。この馬は父サドラーズウェルズで、母がシアトルスルーナスルーラ系の名種牡馬)とLisadell の仔。そしてサドラーズウェルズの祖母はSpecialでこれはLisadell の全姉妹でクロスが出来る。さらにエルコンドルパサーの父キングマンボの母父はヌレイエフ。ヌレイエフとサドラーズウェルズは親戚同士(どちらもノーザンダンサーの直仔で、ヌレイエフの母親Specialはサドラーズウェルズの祖母)で、全姉妹の牝馬(しかも超名馬。Lisadell (Special)はThong系という超名牝系で、キングマンボの母ミエスクは超名馬。)を通じてナスルーラノーザンダンサーが強く出されている。
エンドスウィープも、母はノーザンダンサー系で、父49erはナスルーラのクロス持ち。


という事でですね。最近距離の壁をあっさり突破しちゃった種牡馬は全部「ナスルーラノーザンダンサーの組み合わせ」なんですよ。これ多分偶然じゃないと思うなあ。
フレンチの得意コースは上にあげた通り。エンドとエルコンも広いコースの方が良い(もっと言うと長く良い脚を使えるコース、展開の方が良い)のは明らかで、じゃあこいつらも一緒にしちゃって良いのかなと。「展開に恵まれただけだろ」とか舐めてるとあっさり来られちゃうし、格上挑戦とかも関係なくなってきた。今まで「エルコンはヨーロピアン」とか考えていたけどこっちの方が明らかにしっくりくると思う。
ところでアドマイヤムーンに代表されるようにエンドスウィープは基本的に外枠のほうが強い。エルコンの外枠好きは有名(ソングオブウインドとかビッググラスの激走)。ならば春天アドマイヤジュピタも大外枠が良かったのか。どうも最近「フレンチは内枠の方が良い」っていう法則が崩れている気がしてならなかったんだけど、こう考えればわりとすんなり納得できるなあ。
あと「フレンチといえば距離延長で強い」というのも定説ですけど、エルコンもエンドも距離延長に強くないですかね?強いっていうか、少なくとも距離不安で舐めてると強い勝ち方されて口あんぐりみたいな。
距離延長で強い馬というのは「スローでゆったり先行できた方が強い馬」と言い換えられるんですよね。スローで前目に付けて、広い直線でぐんぐん加速して後続に追いつかせないみたいな。かと言って逃げちゃダメだから外枠から他馬の出方を見つつすんなり好位につくレースなら超強いよと。なるほどこういうタイプが強い世の中になれば武豊が溜め殺し批判されるのも納得。結構全部繋がったんじゃないかな。


という訳で、
「サンデー×凱旋門賞血統は全部ダンスインザダークとして扱う」に続き、
「エルコンとフレンチとエンドは全部同じ物(ノーザンダンサー×ナスルーラ)として扱う」を当ブログでは決定しました。まあエルコンとエンドはもう死んじゃってるんですけどね。

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と言うお話から、以前書いた「新潟大賞典はパワー血統ばかり来たレース」と言う話に繋ぐとちょっと言いたい事が伝わるかなと。