2008年東京優駿

週末は更新できなかったんですけど、昨日のダービーはスマイルジャック複勝だけ当てました。「だけ」とは言っても人気薄だったし、強めに買っていたので収支的には十分プラスでした。


今年はですね。先日書いた通り後楽園のウインズに行ったんですよ。僕が以前縄張りにしていた4階の一番端のおっちゃん集団とか、6階にいる、着物に割烹着着たおばちゃんとかみんな元気に同じ格好でうろついてました(笑)。着物に割烹着姿で襟元に馬券を挿して優雅な手つきで競馬新聞をめくるおばあちゃんてかなり粋だよね。
ただ、最近気になるのが喫煙スペース。ガス室みたいなところに押し込められている人達を見るのってなんか悲しくなるんですよね。僕は前にも書いた通り煙草はとっくに止めているんですけど、副流煙の害よりもああいう光景を見て何とも思わないメンタリティの方がよっぽど社会悪だと思う。


先日書いた通り今年はタケミカヅチスマイルジャックレインボーペガサスメイショウクオリアの4等しか買わない予定で来ていたのであとは馬券の組み合わせだけだったんですよね。パドックで見てタケミカヅチは若干オチ気味、メイショウクオリアは入れ込みまくって汗だくだったので「これはないな」と思ったけどとりあえず馬券に入れる。この時点でほぼスマイルジャックレインボーペガサスの一点で良いと思いました。というわけで今回は馬券の種類は変えずに金額だけかなりメリハリをつけた。ボックス馬券もスマイル=レインボーだけ分厚く行ってあとは本当に100円だけとか。「じゃあ買うなよ」とは行かないのが競馬ファンのメンタリティ。


当日の馬場状態が問題だなと思っていたので府中の芝のレースはチェックしていたんだけど、ある程度内で先行していた馬しか来てなかったのでもうスマイルジャックが3着以内に来る事は確信していましたね。


レースの方は大逃げ宣言のアグネススターチを抑えてレッツゴーキリシマが逃げる展開。実はこの展開だけは何故か読みきっていたんですよね(笑)。先日のブログをお読みいただければ分かる通り。メイショウクオリアは出遅れて最後方からになったのでもう無視。タケミカヅチも後方からになって無視。絶好のポジションで軽快に走るスマイルジャックに心躍らせながら意外に前に行ってるレインボーペガサスが気になり始める。レース中は「抑えきれずに前に行っちゃったのかな?」と思っていたけど安藤勝己騎手は「切れない馬だから前に行った」とレース後のコメント。当然僕のようなド素人よりアンカツの方が良く分かっているはずなので、アレが正解だとすれば、結果的には緩い馬場で伸びきれなかった分緩い馬場が得意なクロフネ産駒(ブラックシェル)とブライアンズタイム産駒(マイネルチャールズ)に競り負けたのかも。
レースは最後の直線、僕が睨んだとおり(ていうかほとんどの競馬ファンが想像した通り)先行して内を通った組が固まって先頭集団に。もうあとはレインボーが前を捕まえられるかだけと思っていた時に外からただ一頭次元の違う脚で飛んできた馬がディープスカイアグネスデジタル天皇賞を勝った時を思い出す。


ディープスカイに関しては、初勝利までに6戦もかかったという時点でダービー馬にはふさわしくない存在だと思ってしまったんですよね。しかもその後も馬体は変わってないのだし。毎日杯NHKマイルはレベルが低かったという解釈にしてしまった。ていうかこの馬母系にkey to the mintを持っているんだから、同名のサイトを持っている自分としては買わなきゃいけなかったのかなあとも思うんだけど。
3着ブラックシェルはずっと「この馬はクロフネではなくウィニングチケットだから皐月賞では負けてダービーで復活する」と言ってきていたんですよね。NHKマイルが余計だったから消しましたけど。あとユタカ人気しちゃうから消したんだよなあ。後藤だったら勝ってたかも。
マイネルチャールズは僕勘違いしていた事があって、皐月賞後も放牧(という名の修行)に出されてガリガリになってくるのかと思ったんですけど、稲葉師はずっと手元においていたんですよね。それが正解。稲葉御大が岡田のやり方にダメ出ししたのなら良いことだと思う。岡田総帥は好きだけどデビュー後の馬にも口と手をを出しすぎだ。
最下位に沈んだサクセスブロッケン。僕は「藤原英昭師が本気でこんな無理のある使い方をするわけがない」と思って真っ先に消したんですけど、レース後のコメントは「夢を追った結果だから仕方が無い」と言う物。やはり現実味が無いものと思っていましたか。適性以前に、重賞未勝利馬は連対すら出来ないダービーで重賞初挑戦の馬が勝てるわけが無い。全部圧勝過ぎて厳しい競馬を全くしてない訳ですからね。万が一、UAEダービー勝ちからの挑戦とかそういう怪物でも出てこない限りこのパターンは全ていらないと思う。



ところで、この5年間でダービーは「マイルG1馬」が3勝しているんですよね。変に長距離を使うよりもレベルの高いマイルで「厳しい流れの中でさらに切れる脚を使う」という競馬をさせることがダービー馬への近道なんだろうなあ。ちなみにその他の2頭はいずれも皐月賞馬。
あと連対した2頭は1800重賞勝ち馬。レインボーペガサスも差のない5着に来ていた。競馬をご存じ無い方は「1800mと2000mなら当然2000mの方がスタミナを使う」とお思いでしょうが、実は1800mの方がスタミナを問われるんですよ。理由は、競馬場というのはゴール地点が決まっていて距離によってスタート地点が変わるわけですね。で、基本的に格の高いG1レースというのは根幹距離=1600m、2000m、2400mで行われるので、それに合わせて設計しているので、非根幹距離のレースはスタートしてから最初のコーナーまでが短くレースの最初からペースが上がって疲れるレースになりやすいんですね。まあそんな単純なものではないんだけど大まかにはこう考えて良いです。
というわけで来年からは1800重賞勝ち組と皐月賞馬とレベルの高いマイルG1勝ち馬だけを買えば良いのだなと。距離適性とかは考えちゃダメでしょうね。距離といえばグランデファームの衣斐浩さんがスマイルジャックの事を「胴が詰まっているのでこの馬体では距離が持たない」と発言されていたんですけど、「ブライアンズタイムの系統はそういう体型でも距離が持ってしまう」という僕の様なドドドドド素人でも知っている事を競馬に精通しておられる方がご存じないとは驚きです。あと、もうG1を騎手で予想するのは意味無くなってきたなと。ちょっと前までは「G1で○○は黙って消し」っていう戦法がかなり有効だったんですけど。



一つだけ今年のダービーで凄く残念だった事は、四位騎手の優勝インタビューの時に罵声が飛んで四位騎手が怒ったらしいんですね。
僕は何度も書いている通り四位騎手は大嫌いなんですけど、ダービーでの騎乗は馬の能力を最大限に発揮した素晴らしい騎乗だったし、スマイルジャック単勝も持っていて勝たれては困る僕ですら素直に拍手を送りたい騎乗だったんですよ。それを素直に賞賛できない人間って何なんでしょうね。
それでなくてもダービーっていうのは正しい意味で「お祭り」なんですよ。ダービーっていう言葉は競馬に興味ない人でも知っているし、ただ単に「一等賞を決める」というだけではないあらゆる意味を含めて「最高の存在を決める(選ばれると言った方が適切かもしれない)祭事」っていうニュアンスも理解されていると思うんですよね。ダービーに限っては当たればそれで一年幸せなくらいだし、外れても 「ようし、来年は当てるぞ!」「俺なんかPOGで来年のダービー馬指名しちゃうもんね!」くらいのノリでみんな笑顔になれるのがダービーなんですよ。そんなことも理解できずに競馬場に足を運ぶ人間って本当にその思考回路が理解できない。


今年のダービーウィークは最強牝馬カワカミプリンセスが復活の兆しを見せ、弱いと言われた4歳世代の菊花賞組が目黒記念で強さを見せて今年の古馬中長距離路線の興味を繋ぎ、フラムドパシオンが華麗に復活して沈みかけたダート路線の活性化を告げて、今年後半の各路線の予告編を見せてくれましたからね。ダービーも4着までが全て違う種牡馬の産駒で半分はサンデーが入っていない。ますます競馬ファンの腕の見せ所な一年になりそうで楽しみです。