魔球

金字塔ってピラミッドの事なんですよね。形が「金」という字に似ているからという事で。ならば「イチローが不滅の金字塔を打ち立てた」というのはイチロー、ピラミッド建設」と言う事か。途端に物凄い事のような気がしてきた。時に言葉は本来の意味を知るとその効力を破壊的に増すことがある。その逆の方が多かったりもするけど。


さて、イチローももちろん素晴らしいんですけど、ふと書こうと思ってだいぶ前に忘れていたネタを思い出したのでそんなことを書いてみる。
以前購入した雑誌に「スコアラーたちが語る 今見られる魔球(パリーグ編)」という特集があったんですよ。
そこで上げられていたのは
ダルビッシュ有ツーシーム&カーブ
涌井秀章のストレート
成瀬善久のチェンジアップ
岩隈久志のフォーク
石井一久カットボール
小野晋吾のシュート
田中将大のスライダー
金子千尋のカーブ
渡辺俊介のカーブ
加藤大輔ナックルカーブ
帆足和幸のパーム
大場翔太のスライダー
小林宏之のチェンジアップ
だそうです。マリーンズから4人も選ばれてるのはあの風の強い球場を本拠地にしている影響かとも思えるので別としても、この特集が組まれているのが5月だということから考えても前評判以上に成績が良いライオンズから3人、前評判よりも成績が芳しくないホークスからは新人が一人だけという選出が興味深い。あとオリックスの2人はいずれも剛速球&カーブという組み合わせなんですよね。明らかに時代遅れと笑われていた大艦巨砲主義な打線と考え合わせると「昔のパリーグ」を再現したチーム作りとも考えられる。そりゃあ外国人監督よりもいてまえな人が監督就任した方がチームは上手く回る筈だ。清原和博最後にしてようやく見つけた「自分の居場所」とも解釈できるのでは無いでしょうか。僕はこの人テリー・ファンクみたいに何度も引退を繰り返してもいいんじゃないかとすら思ってるんですけどね。


ちなみにこの特集では「パリーグに若い好投手が次々生まれる理由」も考察されていて、その中で一番面白いと思ったのは「セリーグパリーグのコーチの数」という野田浩司の解説だったんですよね。パリーグの方が優秀なコーチが何人もいて手取り足取り・・・ではなくその逆らしい。つまり自分で考えて練習した方が成長すると。そりゃあコーチが何人もいたら「自分がこういう育成方法でこの選手を育てたからこんなに凄く育ちました」ってアピールしなきゃクビになるもんなあ。プロとアマチュアではコーチの存在意義も当然違う訳で「育成」というものに関しても考えさせられる部分だ。