長嶋って

王さんが引退を表明しましたけど、何より目に付いたのはそのげっそりした風貌なんですよね。なんか物凄く悲しい光景だった。はっきり言って、もうとっくの昔に「無理」だったんじゃないでしょうか。そっとして置いてあげようよ。としか言い様がない。



今週の「その時歴史が動いた」で珍しく野球を取り上げていました。西鉄ライオンズ日本シリーズ3連敗4連勝ですね。


まあ内容自体は知ってる話ばかりなのでどうでも良かったんですけど、ちょっと驚いたのは長嶋茂雄がランニングホームランを打ったときの脚の速さなんですよ。正確には測ってないけど打ってからベース一周が大体14秒ちょっとくらい。ベースランニングは13秒台〜14秒前半くらいが「速い」と言われる辺りらしいのでイチローや赤星などとは比ぶべくもないですけど、打ってから走り出すまでのタイムラグを考えれば十分「俊足」と言えるレベルだと思う。大体狭い平和台球場で単なる左中間突破の辺りで迷わずホームまで帰ってこれるんだからそりゃ遅いわけがない。ていうか二塁周ったあたりからが恐ろしく速い。


先日北野武の本を読んでいたら「長嶋さんは打撃だけじゃない。何より守備が凄かった。それまでは自分の応援しているチームが守備についてる時は誰も試合なんか観てなかったのに、長嶋さんが登場してからみんな守備の時も試合を観るようになった」と語っていたんですよ。
当然その当時も「守備で魅せる」という選手は一杯いたはずなんだけど、それはあくまで「野球ファン」向けでしかなかったんでしょうね。もっといえば「野球が好きという事になっている人」にとっての「野球が好きである事の証明書」的な役割しかなかったのかもしれない。


こうして見ると、長嶋茂雄の存在意義って「どんな局面でも飽きさせない」事にあるのだと改めて気づきますね。そして間違いなくそれを自覚して行動しているはず。こういう人が監督やっちゃうと全球団の4番と全球団のエースを強奪しない訳には行かなくなる。実に筋が通っている。一球団の監督をやってはいけない人なんだなあと強く思いますね。