続:]今年の日本シリーズは中日×西武と見た

というわけで昨日の続き。
って昨日は説明しないまま書いちゃったんだけどやっぱり軽く説明した方が良いですよね。
田端到というお方(競馬予想家でもあり、私に最も影響を与えた競馬理論の持ち主である)が発見した「主力依存度が低いチームほど短期決戦に強い」というデータ。主力依存度とは「全チーム得点に対する、打点の多い打者2名の打点数の割合」。つまり「得点を主に上げている打者が2名に極端に偏っている場合、短期決戦では不利になる」という理論。


で、昨日の続き。


パ・リーグのチーム得点が軒並み上がっている点なんですけど、あからさまに変化している数字があってホームラン数が2007は642本、2008は752本なんですよね(昨日の日記でオリックスは得点が減っていると書いてしまいましたが何かの見間違いでした。修正しました)。この数字がすべてではないかと。
もう一歩突っ込むならおそらく最近の「真っ直ぐを投げ続けるのが真っ向勝負」という頭おかしい風潮が原因じゃないですかね?マシンが進化すれば打者有利になるのが当然だし、本当に真っ向勝負にさせたいならストライクゾーンをもっと広くするなり一回空振りしたら三振扱いにするなりしないとフェアじゃないと思う。
逆にセ・リーグは総ホームラン数が2007年818本から2008年728本に減ってるんですよね。やはりホームラン数がそのまま得点に関係してるのだなと。これは神宮球場の改築とかが影響しているんですかね。ちなみに神奈川県のあのチームはホームラン数は増えてるのに総得点は減ってます。村田がオリンピックで抜けたにもかかわらず増えていて、それで得点が減る訳ですからね。やる大矢といえば無意味な送りバントが大好きなお方。つまり主軸依存型な戦略を取るお方。つまり主力が得点能力を高めるほどにチーム力は向上しなければいけないはず。それでいてこの結果なんだから如何に下手なのかよく分かる。


ところで、これは「昨年との比較で変化した点」。
実は「昨年と変わらない点」の方が面白い数字が出てるんですよ。


それは各リーグの総「主力依存度」。セ・リーグの全チームの主力依存度平均は2007が.312。2008も.312。パ・リーグの全チームの主力依存度平均は2007が.278。2008も.278。驚くでしょ?
ちなみにセ・リーグの方が主力依存度が高いのは「FAで4番打者ばかり強奪するからだ、ムキー!!」とかいう理由ではなく単純に9人中1人投手が打席に立つから投手が打点を挙げる可能性を考慮すればわかりますよね。
で、セ・リーグの方が9/8分だけ主力依存度が高いんだな・・・と思って計算してみたら9/8は1.125。278に1.125をかけてみると312.75。おお!!実に理にかなってる。
2年間だけのデータじゃねえかといわれるでしょうけど、それはおっしゃる通りで。でもこの2年間って飛ぶボールを止めてからの2年間なわけで今後のデータを見る上で決して単なる偶然で片付けなくても良い気もしてるんですよ。
ちなみにこの2つの数字の平均は.295。日本シリーズはDH制と9人制を交互に行うことからも王様(田端到)の提唱する「日本シリーズは主力依存度が30%以下のチームが勝つ」というのも理にかなってます。


つまり「DH制なら.278。9人制なら.312。この割合で主力に得点を上げさせる野球をまずは目指す」という結論が導き出せる。かもしれないなあ。
ただしこれはあくまで平均の数字。これを減らしていく事が「勝てるチーム作り」の目指す方向と言えるのではないでしょうか。ただ、下位に沈んでいるチームならまずこのバランスを意識して損はないでしょう。


この数字は「割合」なので減らす方法はいくつか考えられますよね。というか大まかに言って2つでしょう。
1)総得点は同じでも、主力以外の選手にチャンスを回す。
2)とにかくひたすらに総得点を上げて分母を大きくする。
読売なんかはもう圧倒的に(2)しか出来ないんでしょうね。せっかく強奪した打者に好きに打たせないわけにはいかないでしょうから。最近は入団時に「俺様をずっと一軍に登録させなきゃ入団してやんない」とか頭おかしい条件をつけてる選手多いみたいだし。何様だよ。永久に全球団の4番打者を強奪するしか道はないんでしょう。当然安定感のない試合が続くし短期決戦で弱い癖は抜けることはないでしょうね。とか書いちゃうと優勝フラグ立っちゃうから「かも知れない可能性もないとは言えない」くらいにしておこう。ちなみにON全盛時の主力依存度は当然とは言え4割近い高率。そこから考えると「好きな4番打者二人だけ残してあとは売り飛ばしてピッチャーに替える」っていうのがチーム編成上得策か。


こういうことが出来ないチーム(ていうか普通は出来ない)は(1)を目指す事になるんでしょう。どこからでも得点が取れるチームを目指す。その方が強奪された時も替えがききますからね。これは千葉ロッテの戦略。というよりバレンタインの戦略でしょう。


で、書いていて気付いたけどまだやり方はあるんですよね。


3)主力一人に得点能力を集中させてあとは分散。


一見すると「一人に集中しちゃったら敬遠されたら終わりじゃないの?」っていう気もするけど実はこれも有効な気もするんですよね。その4番打者以外がみんな均等に得点能力あるのなら。


こういう数字を元にチーム編成とかする仕事って面白そうだよな・・・って「プロ野球チーム(笑)」がこんな事考えてる訳ないよね。ゴルフとか忙しいだろうし。