桜花賞

桜花賞


◎カツヨトワイニング


今年の桜花賞は、ブエナビスタという飛び抜けて強い馬がいる・・・
と言う事になっているわけですけど、う〜んそうなんですかね。


この馬自体の死角は前からいくつか気づいていたんですけど、そんなものはどうでもよくなるくらい他の馬が弱過ぎてやる気ないな・・・と思ってみているうちに実はこの馬自体別に大して強いわけじゃないんじゃないの?と錯覚を起こしちゃうくらい今年の3歳牝馬は不作だと思います。


で、先にブエナビスタの気に入らない所にイチャモンをつけますと
1)血統的に怪しい。
スペシャルウィークと言うのはサンデー×ニジンスキーで、その点ではダンスインザダークと同じなんですね。産駒の適性もほぼ似ているので僕は「スペシャルウィークダンスインザダークの産駒はほぼ同じ」と解釈し続けていたんですけど、ここに来て良い肌馬を宛がわれた世代を観るにダンスインザダーク−リボー+小岩井牝系」という血統構成そのままに、ダンスから得体の知れない爆発力を差し引いて安定感と根性を足した感じなのかなと今は解釈しています。
まあ要するに「過剰に期待を受けると平気でやらかす」と言いたいわけですね。
しかも母ビワハイジ自体が早熟でしたし兄達も基本的に早い段階で枯れましたからね。
2)早熟?
※一族の早熟ぶりもそうなんですけど、そもそも馬体重が増えた事が一度もなく当然デビュー時より今の方が小さい訳ですよ。「タキオンとスペでは違うはず!」と言いたいだろうけど、スペシャルウィークの強い馬って結構成長止まるの早いですよね。
3)性格
※本当は「脚質」にしたかったんですけどね。最内枠で包まれて、大外回されて届かないパターンでしか負ける事はないかと思っていたんですけど、目出度く五枠に入りましてそれも無いんだろうなと。
ただですね。この馬が何故毎回後方一気をやるかというと、馬群に包まれる事を嫌ってるのもあるだろうけど、早めに先頭に立っちゃうとソラを使う(要するに気を抜く)からなんですよね。
もうこの馬が負けるのは、外枠から誰にも邪魔されずに勝手に4角で先頭に立っちゃって「あ〜あ。何か一人でぶっ千切って走るの飽きちゃったなあ。お客さんみんなレース観ないで来週の皐月賞の話で盛り上がってるし。やる気出ねえよなあ」とかなっている所を出し抜け食らうパターンしかないのではないかと。
で、数多いる「自称:ひねくれ者の予想家」は一生懸命この馬の次に強い馬とかを研究しているorもしくは最初から勝つ事を諦めて2着狙いに徹する騎手はどれか等と考えている思うんですけど、ひねくれすぎて一周回って偉いこと素直になっちゃったボクから見るとはっきり言って無駄だと思うんですよね。何もかもがブエナビスタに追い風の状態なので。余談ですが「あからさまに2着を取りに行きそう」と言う観点だとダノンベルベールでいいと思います。後藤騎手には「新:公務員騎乗」とあだ名を付けたくなるほどチャレンジ精神にかけた騎乗が目立つので。きさらぎ賞のリクエストソングもそうだったし。悪い事とは言わないけど、そういう狙い方をすると勝つ馬を探す癖がつかなくなっちゃうから嫌だ。


で、「ブエナビスタと真逆の存在」を考えた末に行き着いたのが◎カツヨトワイニングなんですよね。


まず血統的に指向がほぼ真逆。他にショウナンカッサイとかアイアムカミノマゴとかも真逆だと思うんですけど、前に行って強いタイプは現在の阪神の芝では不利だと思うんで除外。


カツヨ自体の強さと言うか前走ファルコンSを観てみると、


2008ファルコンS=1.09.0(33.8-35.2)
2008高松宮記念=1.07.1(33.4-33.7)
2009ファルコンS=1.08.9(33.2-35.7)
2009高松宮記念=1.08.0(33.1-34.9)


2007は高松宮記念が重馬場だったので昨年しか比較対象が無いですけど、古馬の最高峰のレースとの比較で今年のファルコンSのレベルの高さは一目瞭然。ちなみにファルコンS当日の1000万下のレース、阪神牝馬Sでそれなりに人気をしそうなアルティマトゥーレが勝ったレースよりもタイムは早いです。
このレースで、しかもAコース開催に替わって圧倒的前残りだった当時の馬場で34.2の末脚で勝ち馬と同タイム2着だったカツヨトワイニング。この上がり34.2というのは高松宮記念で上がり最速だった現役屈指の切れ馬:ファリダットよりも0.2速いです。走破時計自体アイルラヴァゲイン、ウエスタンダンサー、ファイングレイン!、ビービーガルダンアーバニティといった古馬重賞馬を既に上回っている。
何より「牡馬混合重賞」で好走したという点が買い材料だと思います。今年は牡馬はそれなりに役者が揃っていて牝馬が一人勝ち状態だと思うんですけど、だったら牡馬相手に実績を残した馬でいいじゃないかと。
そうなるとデグラーティアコウエイハートも候補になってくるんですけどさすがに昨夏の事ですしやはり前に行く馬ですからね。
ちなみに、「今年の桜花賞出走馬で牡馬相手に勝った事がある馬」という視点で最初探して観たんですけど、むしろ牡馬相手に勝った事が無い馬がブエナビスタ!、サクラミモザ、バンブールージュ、アンプレショニストの4頭だけなんですよね。ほうほう、今年のチューリップ賞って牡馬に勝った事が無い馬の独占レースだったのか。この内サクラミモザはそもそも牝馬限定戦しか走った事が無いので可哀想だから除外すると3頭。もちろん「ブエナのデビュー戦は相手が違い過ぎだろ」という意見は尤もなんですけど、ブエナの評価をこれで下げるとかいう事より、それだけ破壊力を持った存在がカツヨトワイニングなんだよと言いたいわけです。


まあ現実には短距離馬には圧倒的に不利な舞台設定なんで、別に殿負けしたとしても全然構わないくらいなんですけど、ブエナビスタが届かないくらい超ドスローの完全上がり勝負になった時に浮上するのはこの馬だろうと。そうなった時にくっついてくる馬がどれかは皆目わからないので単複一点勝負で。
阪神マイルはむしろ長めの距離適性にシフトするので、1200で好走した事を評価するのは間違い」っていうのは百も承知なんですよ。百も承知で「阪神マイルで強そうな馬」を探したってどう考えてもブエナビスタが勝っちゃうから、こいつが勝て無い条件になった事を想定しようと。極端な話、5ハロン通過が80.0でレースの上がり32秒台みたいな究極上がり「だけ」の勝負にならない限りどう転んでもブエナ勝っちゃうでしょ。実際2.3回転んでも勝つ気がしてるんですけどね。あと、あまりに外枠有利にし過ぎてしまったのか、今の阪神はみんな外を通って内がずっとポッカリ空いたレースになってきてますからね。そうなると大庭の魔性のイン突きが炸裂するかなと。


なんでわざわざ金曜日に書くのかというと、明日ジョーカプチーノが勝っちゃったら勢いでこの馬のオッズが無駄に下がっても面白くないからです。少なくとも単勝万馬券にはなってもらわないと。
でも各予想紙の穴担当記者はこういうのに◎打ってくるだろうなあ。人気したら非常に嫌ですね。でも、これとブエナが一緒に来る気はしないから新聞の予想としては印打ちにくいと思うんですよ。新聞の場合は「3連単万馬券的中!!」とかしないと売りにならないから、こういう亜空間な馬を混ぜたくは無いですよね。というわけで世間の皆さん、ブエナビスタ単勝をたんまり買い込んで私のカツヨトワイニングのオッズ向上に貢献お願いいたします。