子供手当て

(ご飯食べてよく寝たから昨日の続き)
福嶋みずほがあっさり「子育て手当ては平等に配るべき」とぶれたご様子なのでまず真っ先に鳩内閣が手を付けるのがこの「子供手当て」みたいですね。
まず気になるのは、これこそ完全なる「ばら撒き」だという事なんですよね。一見すると定額給付金の方がばら撒きっぽいけど、あれは前に書いたように「日本経済は手術が必要だ。だがしかし体力が衰弱しきった状態で(正論を振りかざして)ガンガン切り刻んでいたら病因以前の問題で死んでしまう。だからとりあえずブドウ糖注射をしますみたいな話なので(一応言っておきますけど、凄いザックリした例え話なので現実の医療行為ではどうとかそういうツッコミは無しね)世界恐慌同然の状況でまず定額給付金をやるのは正しいはずなんですよ。敵だけでなく味方からも散々脚を引っ張られて時間がかかった上に金額もだいぶ減っちゃったからあまり意味なかったですけど。
これに対して子供手当ては完全にばら撒きですよ。だって見境無いんだもん。地方自治体が独自で給付しているケースはいっぱいあるし、そもそも公務員の児童手当について(民主党の議員が)誰も言及していないのは何故なのか。民主党は大まかに言うと「公務員の人件費が高すぎる事を是正する」事を公約に圧倒的支持を受けたわけで、ますます公務員の人件費を(事実上)上げる政策をいきなり取ってどうする。まずここをはっきりしてくれないととても支持は出来ません(まあはっきりさせたとしてもこの政策は支持しませんが)。
ていうか民主党の政策(政策なんて無いとしか思えないけどここでは便宜上)って明らかに「大きな政府」を目指してますよね。公務員っていっぱい手当てもらってるはずなんだから、「公務員並の手当てを民間にも約束します」っていうのが一番シンプルだと思うんだよなあ。霞ヶ関に「そんな財源ありません!」って言われたら「でもお前らには支給してるじゃん。財源無いならお前らへの手当ても廃止な。」って言えば良い話なんで。要するに官僚の個人的な利益と国益が合致するような方針出せば良かろうと。そうは言っても民主党にそんな気一切無いですからね。公務員のボーナス減額を決定した人事院勧告を批判してますから。民主党は公務員の皆様の生活を守ります!!


で、ばら撒きでは無い子供手当てが行われたとしてもこれに何の意味があるのか。


ネット上では「ばら撒いても子供のためになんか使われない!無駄!」っていう指摘が多くて私もそう思っていたんですけど、どうも鳩政権は「これは福祉目的ではなく内需拡大政策」と考えているように見えるんですよね。じゃあ子育て世帯だけじゃなく全員にばら撒けよ(笑)。
ちなみに日本の夫婦の「理想子供数」は2.48。大雑把に言うと「日本の夫婦は、子供の数は2〜3人が理想だと思っていて、2人が理想だと思っている夫婦が微妙に多い」という事ですよね。一方完結出生数は2.09。下がったとは言え「日本の夫婦は2人以上の子供を産んで育てている」。だから現状では「結婚したけど子供を作れない」という夫婦の方が少数派な訳で、普通に考えて非婚化の方が深刻な訳ですよ。あと、産婦人科の減少とか託児施設の少なさの問題ですよね。失業者が溢れているんだから、派遣の仕事待ちの人とかを食いつながせてあげる「臨時ベビーシッター制度」とかを作ればいいのに。そもそも少子化対策なんて景気回復と雇用の安定→非婚化解消がベストなんですよね。出生数が2以上あるんだから、理論上全員が結婚していれば黙っていても人口は増える(寿命とかそういうこと無視して単純な計算で言えば)。ついでに言うと、日本は子供がひとり立ちするのが遅過ぎるっていうのがあって、これは晩婚化の原因にもなっているはずだからこれを解消するのも有効ですよね。これは賃料が高過ぎる事も原因だと思うんですよね。だから収入が少ない層に住宅手当を出すのが一番だと思うんですよ。ここまで考えて、「15歳までは何らかの育児補助→高校教育には何らかの補助→成人年齢を18歳に引き下げて、18になったら独立するのが普通の世の中にする」っていう流れなら、狙いがちょっとは見えてくる。
個人的には「どうしても子育て手当てという名前でばら撒きたいなら政府紙幣を発行すれば?」って思うんですけどね。使用期限を定めて、育児に関係があると国が認めた商品しか購入できない紙幣。名付けてこども銀行券。どうよこれ?。


鳩政権というか現在の与党の人間って、中心人物は細川、村山政権辺りの人間ですよね。つまり基本思想は無駄遣い。だけど「最近一番ブレイクしたのはKOIZUMIだから、あの緊縮財政の真似しようぜ!」と。そのぐらいの意識じゃないかと思うんですよね。2009年8月30日の選挙を観て「これはもう政治=プレゼンになったんだな」と私は思ったんですよ。「マニフェスト」といわれると大いに疑問だけど「プレゼン」と言われると実にしっくり来る。企業の「プレゼン」って中身より見せ方が大事ですからね。そう考えると、国の方針に社会が影響を受けているのではなく社会の流れに国が影響を受けているんだなあと。ポピュリズムと言うより逆ポピュリズムなんじゃないですかね?「プレゼン」の何が問題だと言いたいかというと、要するに「ええカッコしい」なのが困るんですよ。格好つけて「我が社の政策を採用して頂ければ少子化解消!自給率アップ!我が社の政策で地球も、そしてあなたも美しく・・・」とかいうイメージでしょ。格好付け続けるためには「いっぱい税金とっていっぱいばら撒く」必然的になると思うんですよね。それが困る。どんどん真面目に生きている人が馬鹿をみる事になっていく。で、「今までの日本の官僚体質が良くない!」っていう民主の主張からすると逆ポピュリズムで世の中よくなる様に見えるけど絶対にそれは違う。民も官も自民も民主も、日本の組織の体質自体の問題ですよこれ。