09ジャパンカップ

いや先週も凄かったらしいですね、JRA主催の「競馬」改め「かわいいお馬さん達の仲良しお散歩ごっこ」。何が凄いって、レースの映像を一切観ていないのに競馬ファンの曖昧な苦笑いを観て何が起きたのか全て把握できてしまう所。売り上げが前年比84%らしいですよ(笑)。100年に一度の金融恐慌で世界中死んでいた時期より段違いに酷いとは。ついに今日の東スポで「みんな折り合い折り合いばっかりで、アルゼンチン共和国杯エリザベス女王杯に続いて先週も人気薄の前残り。あれじゃお客さんもしらけちゃう。売り上げが落ちるのも良く分かる」と厩舎関係者の本音を載せちゃいました。まあ京都2歳Sを観て「ヴィクトワールピサ強えぇ・・・」と感動していた(放送禁止用語)なファンもいるくらいだから、お散歩にも需要はあるのかもしれませんが。あれで感動できる人って、蟻が並んで歩いてるのを観ても「強えぇ・・・」って感動するんですかね?


                                                                                                                                                                            • -

さて今週はジャパンカップです。
今月は怒りのあまりずっと馬券購入拒否をしているんですけど、ジャパンカップは馬券を買おうと思っています。理由の一つは「日本馬が多めに参戦している海外競馬」と思えば腹も立たないだろうと思い直した事、もう一つは武豊が前に行く馬に乗るからなんですよね。ガイジン騎手は良く分からずにとりあえずタキーユターカを目標にレースを進める傾向がある様に思うので。つまり今週こそ久しぶりに馬が競い合う=競馬が開催する可能性があるかもしれない。今週もかわいいお馬さん達のお散歩の環境ビデオだったら、もう競馬は事業仕分けの末に廃止されたんだと思う事にします。


さて早速予想・・・の前に今週も元気に出走しているコスモバルクに対して非難轟々らしいですね。まあある意味当然では有りますけど。JRA主催のレースにコスモバルクが勝ったのって250週ほど前の事ですからね(笑)。これじゃあ「どの成績を反映して出走してるんだよ!」と突っ込まれてもしょうがない。「ルールどおり出走しているんだから陣営は悪くない。悪いのはルール。」とか説得力皆無の擁護派の叫びが実に虚しい。そのルール作ったの、バルク陣営だし。そもそも馬の事を考えたら陣営が中央に移籍させれば済む事なんですよ。JRAの馬が香港に行くより大変な移動をこれで38回目ですからね。これじゃ実力発揮できなくても「陣営がルール維持のために馬を犠牲にしている」という批判も当然。あと、netkeibaのCP予想が◎コスモバルクな事が火に油を注いでいるみたいですけど、あそこのCP予想は必要以上に地方競馬の成績を高評価し過ぎ。半年も観ていればすぐ気付く位極端な癖なんですけどね。


閑話休題


とりあえず外国馬の査定から行きましょうか。
まず実績トップはコンデュイットアメリカのGI:BCターフ連覇&キングジョージセントレジャーなどヨーロッパのビッグタイトルも制覇。
BCターフ制覇の時計もかなり早いし日本向き・・・とかそういう事はあまり気にならないんですけど、この馬の最重要点は血統なんですよ。ダラカニの日本適性なんて知った事ではないので(個人的には合わなくは無いと思っていますけど)保留するとして、牝系がSunny Gulfなんですよね。つまりバレークイーン一族と同じ。というのは有名ですけど、この牝系、レディパステルネオユニヴァースも輩出している府中2400世界最強牝系なんですよ。と、ここで思い出して頂きたいのがこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20090530/p1
今年のダービーの予想ですね。世界競馬予想史上初「牝系で馬券を予想してしかも的中する」という競馬のロマンの粋を凝縮したようなこの美しい予想どうよ。今読み返しても素晴らしいなあ。ダービーの事前予想で「アンライバルドリーチザクラウンよりも安定感が無い馬」と断言したのって俺だけじゃね?このブログが馬事文化賞を受賞しなかったらJRAの見識を疑うね。ついでに「セイウンワンダー菊花賞馬を出した牝系×リアルシャダイでスタミナが無いわけない」と断言して、菊花賞で無印にする自分の見識を疑うね(笑)。
まあともかく「コンデュイットは血統的に府中2400最強血統」と言える訳ですよ。ただし、「人気を裏切る血統」とも書かれているところに留意して頂きたい。いくら理論上最強でもあくまで机上の空論でしかないのに2番人気じゃあ裏目に出る可能性の方がずっと大きい気がするんですよ。いくらBCターフの時計が速いと言ったって、ズブいヨーロピアンが特殊条件なら異常な速い時計を出すのは中京2000を観ればわかる話だし、セントレジャーなんか勝っちゃうと事を観るとむしろズブいんじゃないの?と思う。臨戦過程も押せ押せだし、近走成績観るとテレンコで、今度は凡走の番だし。という訳で限りなく消しに近いヒモで。


次にマーシュサイド。
マイルCSで「日本適性あるよ」と評価して3着したサプレザと同じミスプロ×母父リボー。プリンスキロのクロス持ちな点まで同じ。カナディアン国際S組はシングスピールチーフベアハート等過去の好走例多し。ちなみにこの馬ヒシカツリーダーと同じ牝系なので微妙に日本とも関わりあります。
ゴーンウェストは今年死んだので死んだ種牡馬の子は走る理論で行けばまさかの激走もあるかもしれません。
ゴーンウェストじゃあ距離持たないんじゃないの?という疑問は持たれるんですけど・・・
JCは日本のマイル〜スプリントGIで勝負になる血統が有効なんですよ。
05年優勝アルカセットの父キングマンボ=エルコンドルパサーキングカメハメハNHKマイル優勝)
06年3着ウィジャボードの父父グリーンデザート=シンコウフォレスト高松宮記念優勝)
00年3着ファンタスティックライトの父ラーイ=ジャリスコライト(朝日FS3着)
98年2着インディジェナスの父父ラストタイクーンアローキャリー阪神JF優勝)、アルマダ安田記念2着)
(98年3着ハイライズは父父シャーリーハイツからロゼカラー。GIでは微妙に足りなかった)
以下ずっと続くのでこの辺にしておきますけど、とにかくイメージとは裏腹に「マイル以下のGIで勝負になる血統でヨーロッパの中長距離GIを勝てる馬」が向くという事になる。ゴーンウェストからはNHKマイルC2着のザカリヤが出ているので意外と向くんじゃないですかね。というわけで○マーシュサイド


そして今年の私の◎ジャストアズウェル
マーシュサイドとほぼ同様の理由で買いなんですよね。エーピ−インディからはシンボリインディNHKマイル優勝)が出ていますので。
・・・良く考えたら、シンボリインディの勝った年の2着がザカリヤじゃん!!。上記の、過去の外国馬の成績を見ると
「混合マイルGI優勝血統=JC優勝。牝馬マイルGIorマイルGI2着血統=JC2着、牡馬GI3着血統=JC3着」
と美しき序列が出来ているのでジャスト→マーシの馬単は決定だね!
血統的には母父ヌレイエフも強調材料です。ジャングルポケット(ダービー&JC優勝)、トゥザヴィクトリーフサイチパンドラオークス2着)と府中2400のGIに強い。ちなみに本馬の府中との繋がりで言うと、エプソムC優勝&92年安田記念ヤマニンゼファーから0.2差4着のマルマツエースが遠い親戚に当たります(9代母La Franceがマルマツエースの7代母)。あと、この馬の調教が結構酷評されているんですけど、悪く無いと思うだよなあ。


他の2頭はどうでしょう。シンティロはファンタスティックライト産駒なので条件には当てはまりますけど、あまりに実績不足。インターパテイションは父父danzigですね。セン馬はいきなり爆走する事もあるので、買い目に余裕があれば入れて面白いかと思います。ただ、今回外国馬に乗る騎手で、当日他のレースにも騎乗するのはジャストアズウェルのルパルー騎手だけ。ここら辺も◎をつけた理由です。ただダート戦なんですよねえ。公正競馬を謳うなら、当日騎乗がある騎手は一回くらい当該コースを体験させてあげても良いと思うんですが。


それでは日本馬。、


スタミナを要する舞台で上がり最速(に近い数字)で勝てる馬を探せばよいと思うんですよね。そうなるとウオッカオウケンブルースリレッドディザイアマイネルキッツエアシェイディ辺りかなと。スクリーンヒーローは一応紐には入れるべきだろうけど、スローじゃなくなった場合全くタメが効かなく弾けない可能性の方が高いと思います。
ウオッカは実は前走がかなり好感度高いんですけど、結局マイル的レースじゃないと勝てないんですよね。
オウケンブルースリは、この馬ジャングルポケットよりシルバーデピュティが強く出ている気がしてきているんですよ。一番人気のGI勝ったり内枠の方が向いていたりするので。この馬「京都大賞典は59キロ背負ってあの強さだから、ここではさらに強いはず!!」という評価を良く聞くんですけど、菊花賞の時は軽いハンデから徐々に高いハードルに調整していくかのような絶妙なローテが効いたと思うんですよね。ジャングルポケット、シルバーデピュティ、どちらが出ているにしても壊れ易い馬ではあるので、不発も十分あると思います。ベスト条件なので消しはしませんが。
レッドディザイアは結構やると思いますよ。秋華賞はかなり好感度高い内容なので。2度宿敵に後ろから差されているにもかかわらず、最後のチャンスで堂々とその馬にとって一番良いレース運びを選択した四位騎手は、久々に一流のプロの意地を見せてくれたなあと思いました。「四位騎手が久々に」じゃないですよ。「プロの意地を見たのがジャンル問わず久々」です。だからどんなレースになっても慌てず騒がずで、オークスの時のように最後にちょろっと差されて2着だと思います(笑)。唯一気にしているのは前走の仕上げ。ヒシアマゾンエアグルーヴ(2着2回)、ファビラスラフインジャパンカップで連対した牝馬は必ず前走がプラス体重なんですよね。つまりお釣りがある状態で勝って来ている。ローズSがデビューから見てプラス18キロなので「前々走が余裕あり過ぎ」とみればOKかもしれませんが、ちょっと▲以上には上げたくないですね。
GI連対歴が無いエアシェイディはちょっと厳しいと思うので、マイネルキッツ
この馬府中は大得意で、本来は府中の長い直線で最速の上がりでブッチぎるタイプなんですよ。栗東滞在で春天を制したとは言え本来輸送はダメなので近2走は度外視。外枠は嫌なので4枠ならギリでしょう。
インティライミは適性はともかくタイプ的に、どこかでスイッチが入ってから、フロック視されて舐められているうちにあれよあれよでしょう。ここはまだだと思う。狙うならアサクサキングスこの馬、前走含めて二桁惨敗が4回あるんですけど、過去の3回はいずれも次走連対してるんですよ(ダービー2着、神戸新聞杯ドリームジャーニーの2着、京都記念優勝)。
リーチザクラウンに関しては、パドックの取捨になるので印はつけませんけどそもそもこの馬が逃げる事ができるのか個人的に疑問なんですよね。自分より内にGIを逃げ切った事のある強い逃げ馬がいる訳だし。「エイシンデピュティ陣営は控える事を示唆している」っていう話も聞くけどそんなものやってみないとわからないし、エイシンは調教がとんでもない時計なんですよね。全体も速いけど、スタートから登り坂の栗東坂路でテンの1ハロン12.4って相当な数字だと思いますよ。しかもヤヤ重。ここの数字を気にしている人は普通いないと思うので、データが無いからどれだけ凄いのか自分でも見当が付かないですけど、レース(つまり平坦コース)でテンがこんなに速い事自体無いですからね。誰ともやりあわずすんなり逃げる事が条件なリーチが、これをかわしてすんなり行くかなあ。そして馬の最大の持ち味を殺すような選択をエイシン陣営が選ぶのか。