第77回東京優駿(日本ダービー)

いやはやしかし寒いですね。この状況で来週衣替えなんかしたら確実に風邪ひきますよ。ダービー週に冬毛ボーボーの牝馬が惨敗とかしたら歴史に残る椿事ですよね。冗談じゃなく十分考えられる事態ですが。


さて今週はダービーです。競馬に興味ない方でも「今年のダービーは史上最高レベル!!」という謳い文句は耳に挟んでいたかと思います。実際最高メンバーのはずだったんですけどね。
2ヶ月ほど前から「ダービーの本命」と書いていたダノンシャンティ号が故障発生で出走取消です。ダービーがフルゲート割れするのは、発走直前にシルクライトニングが除外になった年以来13年ぶり。その前年にはカシマドリームが当日取消してますね。お腹が痛くなって(笑)。スポーツ苦手な小学生の運動会じゃねえんだからさ。
日本レコードホルダーの直前回避は様々な意味で残念ですけど、陣営に対して意見を言う気は毛頭ありません。JRAに対しては大いに文句を言いたいです。いわゆるマツクニローテを批判する人が一杯いますけど、それが可能な番組が組まれている以上このローテを批判するのは筋違いだと思います。それはつまり「出走可能なGIが目の前にあっても、ゆったりローテを取って有力馬がバンバン回避する状況が望ましい」と言ってるも同然ですから。2〜3歳の無駄な重賞の多さも気に入らないし、近年ずっと「今年の3歳牡馬は弱い」と言われ続けているのも破壊的番組に原因はあるのではないかと。いっそのこと「重賞を勝った3歳馬は、休養を取らせるために海外視察という名のゴルフ旅行に強制御招待」とか言うルールでも作ればいいんじゃないですかね。赤松農林水産大臣様を見習って。


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今年のダービーは例年と違う所がありまして。
http://d.hatena.ne.jp/horsedata/20100517/p1
なんと900万組まで出走できちゃったんですよね。ダノンシャンティの故障がもっと早く分かっていて、ローズキングダムが回避していたら凄い事になっていたんだなあ。


では予想です。(1)2強診断(2)当ブログオリジナル血統診断(3)一般的データ診断の順に話を進めます。


(1)ヴィクトワールピサペルーサ
しつこく書き続けているようにヴィクトワールピサは「史上最も運が太い馬」という以上にも以下にも評価はしません。南海権左のような悪運で今回も勝っちゃいそうな気がして仕方ないですが、こいつを消したワイドの方が馬券的に効率は良いでしょうから今回は完全消しで。どうせ勝つなら10馬身くらい千切って勝ってもらって、パンパン良馬場の神戸新聞杯でたっぷり人気吸ってもらいたいです。勝てるわけないんで。でもまた雨降るんだろうなあ。この馬をドバイに売り飛ばせば、砂漠に毎日雨が降って環境破壊が止まる事確実だね。
一方のペルーサ
この馬強いんですか?
新馬の相手は、その後ジュヌドラゴンが5戦目のダートでようやく勝ちあがった以外未勝利。
・500万下の相手はその後すべて未勝利。
若葉Sで降した相手もその後未勝利。ペースは厳しくラップ的に質の高いレースだったが、ヒルノダムールを汚く磨り潰して勝っただけの実質2頭立ての内容だけに・・・
青葉賞は同馬主同厩舎3頭出しで、御丁寧に一頭がスロー逃げ&もう一頭は直線に向くところで一気に仕掛けて極端なスロピュを演出。
この馬主の馬は本番で期待感たっぷりに消えるのがお約束ですし、調教師も・・・。まあ2着には来るんだろうなとは思いますが、2頭もろ被りでこの2頭を消したワイドが最低でも15倍くらい付くのなら、今年はこの2頭以外の複勝ワイドの方が良くないですかね。よって印は両方つけません。


(2)血統診断。
何度か書いていますように、私はもう「○○というコースは○○という産駒の連対率が○○%!!」みたいなデータには一切興味がありません。もちろん知識としては良く知っていますが。それよりも血統というのは「組み合わせ」で観なければ意味の無い時代だと認識しておりますので。


そして、全てのホースマンが「このレースを勝つために」配合から調教から全てのゴールに設定されてきた「日本ダービー」という舞台。
あえて酷い書き方をするとウィルスのような存在だったサンデーサイレンスという種牡馬が、種付けシーズンの途中で亡くなった2006年世代以降、ダービーは特定の牝系に好走馬が集中しています
http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20090530/p1


昨年書いた通り、「サンデー亡き後のダービーは、府中芝2400mの混合GI(まあ要するにダービーかジャパンカップを勝った事のある馬)を出した牝系の馬が来る。」のですよ。昨年は走ってるんだか泳いでるんだか訳分からん馬場にもかかわらずしっかり2着は確保したんだから、やはり母の力は偉大という事でよろしいかと思います。
直前回避してしまったダノンシャンティジャパンカップ勝ち馬のシングスピールを出している牝系。他にも後述する理由の該当条件に尽く当てはまるので不動の本命予定だったんですよねえ。まあしゃあない。
余談ですが、牛の配合に関して長年研究を専門にしておられた高柳博士という方が牝形を基にした予想というものを披露しておられますが、あれは単なる指数予想ですからね。自分は、牝系というものはリボーのように「魔性の底力を与える劇薬」と解釈しているので、ダービーのような特別なレースでのみ判定基準にするべきだと考えています。実際ここで当てはまるウオッカメイショウサムソンスペシャルウィークディープスカイタップダンスシチーリーチザクラウンといった馬達は大舞台でとんでもない大仕事をしても安定感は全くないですからね。


で、今年のメンバーで他に当てはまるのは
メイショウウズシオ(フローリスカツプ系=過去にスペシャルウィークウオッカメイショウサムソンなどを輩出)
リルダヴァル(ハイクレア系=過去にディープインパクトを輩出)
の2頭ですね。という訳でこの2頭の単勝は無条件で必ず買います。
リルダヴァルは野路菊ステークスがとんでもない伸び脚だったんですけど、そこで骨折して以降のレースではあそこまで全力で走れていないように見えるんですよね。多少馬場が湿った方が今のこの馬には向くかと思います。
一方メイショウウズシオですよ。
上記の通り牝系はフローリスカツプ系。5代母のライトフレームはキタノカチドキ(デビューから皐月賞まで7連勝の名馬)、リードスワローエリザベス女王杯勝ち馬)の母でありニホンピロウィナーの祖母。本場の伯母は惜しくも故障で早期引退したブランピュール。そこに、丈夫で使う程に良くなるブライアンズタイム、オペラハウスを配合。あと配合の発想が結構メイショウサムソンに似ていると思います。近4年はフローリスカツプが2年連続優勝→ミスカーミーが2年連続連対なので、順番からしてこっちですかね。京都新聞杯も悪くない内容ですし。


ちなみに牝系での2強診断ですが、ヴィクトワールピサの方は府中GI連対馬を2頭出してはいますね(スウィフトカレントアサクサデンエン)。ペルーサの方は「良血!」と騒いではいますが日本でアルゼンチンの血統ってディアデラノビアの牝系とかサザンヘイローくらいですよね。
他の馬ですけど、今年の出走馬で言うと過去に牝馬の大物を出している血統がトゥザグローリールーラーシップ(どちらも解説する必要ないですね)。ちなみにゲシュタルトにはクリスザブレイヴアリゼオにはインティライミが近親にいます。ただ、昨年も書いた通り「格の高いGI勝ちの牡馬」を出している事が重要なので、牝系から見る限りやはり2頭以外は用無し。


(3)データ
ここは細かいデータは出しません。ざっくりと「過去例外がない」データで軽くふるいにかけたいと思います。
・重賞勝ち
重賞優勝歴のない馬が連対したのは、約20年前のライスシャワー(2着)まで遡らないと例がありません。これでヒルノダムールルーラーシップは消えちゃいますね。
・騎手
騎手が乗り替わった馬は過去勝った事がありません(相当遡ればいるのかもしれませんが)。ローズキングダムルーラーシップトゥザグローリーアリゼオが消えますね。もっとも2着ならアドマイヤメインの例があるんですが。
・1800重賞
芝1800mの重賞を連対した馬はトコトン強いです。今年当てはまるのは、優勝馬サンディエゴシチーアリゼオローズキングダムハンソデバンド。2着がゲシュタルトレーヴドリアン


・・・このデータだけで見るとサンディエゴシチーハンソデバンドゲシュタルトは買いたくなりますね。アリゼオも2着まではあるのかも。
皐月賞は先行馬に厳しいレースで、アリゼオと同じく4コーナーを3番手で廻ってきたリルダヴァル、ゲシュタルトはそれぞれ次走日本レコードのGIで3着、京都新聞杯優勝ですからね。この世代の1800重賞の中でも一番内容が濃かったのはスプリングステークス。となるとやはりゲシュタルトアリゼオは気になります。


というわけで。
今年のダービーは
リルダヴァル&メイショウウズシオを中心に、ゲシュタルトアリゼオをヒモ候補として絡める感じの単複ワイドにしてみます。
リルダヴァルとメイショウウズシオは、言うまでもなく実績が足りていないですよね。重賞勝ちがないですから。「ダービー牝系の馬で重賞勝ち馬がいない」という事態が過去4年間は無かったので、どちらかの法則は崩れますね。ただ、自分は「牝系は裏切らない」と信じます。まあ男なんて所詮不要な存在ですから。重要なのはあくまで女。この事実を、むしろ女の方が理解していないから世の中がおかしくなる。すいません話がずれました。
アリゼオは楽逃げする事が絶対条件になるので厳しいとは思うんですが、スプリングステークス勝ち馬って過去8年で4勝してるんですよね。勝てなかった4回の内1回は昨年府中泥2400mで行われた水泳大会。後1回がダンスインザモアで、その他2回はダービーへの出走自体がない。つまり「府中芝2400で行われるダービーにスプリングステークス覇者が出た時の勝率.800」。これは買いでしょ。ダービーで逃げ切った馬は、皐月賞も勝ったサニーブライアンアイネスフウジンだけなので厳しくはあるけど2着はあるかなと。そうするとゲシュタルトが一番安心して買えるのかな?今年もスプリングSのレベルは低くないですからね。


ついでに目黒記念
アルナスライン、トップカミング、モンテクリスエス、と格のある重賞に出てくると好走はするけど勝ち切れないタイプの馬が人気を吸っているので、他の所から入ってみたいです。
◎フェニコーン
何か過去の好走馬を見ると、府中より中山向きの印象の馬が多い気がするんですよね。ならばこいつを頭から狙うのが良いかなと。
あとは
○ピエナグッドラック。少頭数で人気薄の時ジャングルポケットは無条件買いなので▲スマートステージ。


そんなイメージで。それでは皆様良いダービーを。