予想

某所で質問をいただいたので、自分の馬券の対するアプローチなどを書いてみたいと思います。あ、「俺流馬券術」みたいなものを書くとつい上から目線になってしまいがちですけど、そういうものではなく、良い機会だから自分の思考のまとめという感じでね。


まずアイビスサマーダッシュのケイティラブ。自分はこの馬は「持ち時計から考えて重賞で十分足る」と考えて馬券に入れました。
競馬というのは純粋なスピードより適性が大きく作用するもので、持ち時計が速い馬がそのまま勝つとは限らないのですが、このレースはパンパン良馬場の開幕週だったので、持ち時計がそのまま結果に繋がる可能性が高いと見てまず各馬の持ち時計を見ました。ちなみにローカルの短距離は、このように何も考えずに持ち時計が一番良い馬をオートマ買いで当たるケースが良くあります。
今回のメンバーでは、カノヤザクラが54.2、シンボリグラン、サープラスシンガー、アポロドルチェが54.3ですけど、これは全部アイビスSDの記録=開幕週での記録なんですよね。
一方ケイティは54.5。これは連続開催(実質5週目)の記録でしかも1番枠でのもの。開催が進んだ上での1番枠からの直線という事はかなり距離損があった上の記録なはず。そのレースで途中から先頭に立って押し切り。しかもそこから1キロ貰い。
これなら今回時計勝負で負ける事は無いと見ました。上記4頭は酷量や休み明けのハンデがありますしね。


ジェイケイラブは昨日書いたように中山ダート1200勝利を評価です。ちなみに「勢いで雪崩れ込む」コースといえば京都外回りもそうですよね。ただしこちらは上がりの形が違います。最後にラップが落ちない。一方、京都マイルはみんな勢いがついて4角を回ってくるのでラストの直線が必ずばらけます。だから「不器用な馬に向く」という点は共通します。


次にラップ。
前日予想で「このコースは最後の1ハロンのラップが極端に落ちる」と書きました。
故に中山1200好走馬を高評価したんですけど、レースによってはラップのパターンで予想をする事もあります。


たとえば昨年の神戸新聞杯http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20090927
このレースは「上がり3ハロン最速の馬が勝つ」とはっきり傾向が出ているからイコピコ
あとジャパンカップダートhttp://d.hatena.ne.jp/c-mad/20091203/p1
あんまりダートで「上がり1位」とかは気にしない人が多いと思うんですけど、文中に書いたとおり冬の阪神ダート1800を観ると、上がり最速の馬の勝率.667、連対率.778なんですよ。
一般的には「中山は小回り急坂。京都は広いコースで平坦。だから適性は逆。」とされていますよね。ただしラップで観ていると、少なくとも近2年の春の中山は最後までラップが落ちない「京都的中山馬場」が出現します。
そういう時に「中山での好走は京都には直結しない」と解釈されて不当に人気がない馬のオッズが美味しくなる事があります。http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20100502/p1
散々書きましたけど、今年の春の府中はあまりにも馬場が良過ぎて新潟の適性が完全に出ていました。ヴィクトリアマイルニシノブルームーンはそれで拾えました。http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20100516/p1
新潟は平坦なのに逃げ馬につらいコース。こういう馬場だと「前が止まらないラップで後ろから差して勝った事がある馬」を評価するのが筋が通っています。安田記念スーパーホーネットはまさにこのパターンですね。http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20100606/p1


まあ他にも色々あるんですが、自分は基本的には血統で予想するんですけど、状況によっては他のデータを優先する事もあるよという事です。藤川京子さんが「枠順、近走成績、持ち時計、上がり最速等いくつかのファクターのうち、当該レースではどのファクターの順位が高い馬が勝っているかを分析。そのファクターの上位から買う。」という馬券術を披露していたのを見た事があるんですけど、これはかなりスマートな思考ですよね。
自分もその感覚に近いです。当開催や当該レースのデータ等によって極端なラップの傾向が出ている時にはラップを重視します。
とはいえ、芝のレースで上がり最速の馬はほぼ確実に人気しますからね神戸新聞杯イコピコのように不当に人気薄なのは珍しいです。なので、「上がり最速の馬が勝つ」タイプのレースは別のアプローチをするかケンします(笑)。神戸新聞杯みたいに適性に疑いがあるクラシック好走馬が不当に人気している場合は逆に美味しくなりますけどね。
というわけで、ラップを重視するのは「極端にラップが落ちるレース」か「最後まで加速しているレース」の2パターンですね。一番最後の1ハロンとその前の1ハロンの比較だけなので全く難しくないです。


これは「コース」の特性からアプローチした馬券ですね。このカテゴリーには「枠順の有利不利」とかが含まれますよね。プロキオンSみたいに8枠しか来ないレースとかありますし。
逆に馬の個体の特徴で買う場合もあります。わかりやすいのは「洋芝適性」「休み明け」「少頭数」とかですね。ポップロックみたいに「パドックで縦に尻尾を振っていたら完全消し」みたいなのもありますが。


これら様々な条件を組み合わせて予想するんですけど、大まかに分けて「個体の特徴を掴んでいる馬が出てきた場合はその馬から入る。当該レースの傾向を掴んでいる場合は「ミクロ的な傾向(例:レース当日内枠の先行馬しか来ていない…等)→マクロ的傾向(ラップの傾向等)」の順で優先して絞る。どちらも良くわからん場合は血統を頼りにする。という感じです。
血統の優先度がかなり低く見えるんですけど、ラップの傾向と血統の傾向は重なる筈なので、ここは事実上同列ですね。データの裏づけとして血統をエビデンスにしているというか。「この馬ワンペースで行くとやたら強いなあ・・・なんだやっぱりストームキャット系か」みたいな。ここがバッチリはまっている場合はたいてい当たりますね。昨年のクイーンステークスピエナビーナスなんかは「この馬1200mでしか勝ってないけど、馬体重が激減する馬だから休み明けしか勝てない馬で、たまたま今まで休み明けは1200mを使われていただけじゃないの?洋芝も得意そうだし・・・なんだフジキセキ×カーリアンアイルランドダービー馬の牝系なのか。じゃあむしろ1800がぴったりジャン」みたいな。http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20090815/p1