血統の話=サンデーとトニービン

今日はサンデーサイレンストニービンについて書いてみたいと思います。
どちらも素晴らしい成績を残した名種牡馬ですけど、相違点があります。
どちらも瞬発力に長けているんですが、イメージ的に


サンデーサイレンスは一瞬の加速力に長けている。
トニービンはギアチェンジはサンデーに比べ遅いが、トップギアの性能では上回る。
というイメージです。


サンデーサイレンスは幅が狭い(正面から馬体を見た時横幅が狭い)のが特徴で、心臓が縦向きに入っている→1回の鼓動で送られる血液の量がそれだけ多くなる。というのがサンデーサイレンス産駒のエンジン性能の高さの秘訣だと聞いた事があります。一瞬でトップギアに入るサンデーの強さはここにあると言って良いと思います。


一方のトニービン
トニービンナスルーラの系統なんですが、以前書いたようにナスルーラというのはスピードを緩めずにどこまでも加速していくような能力に長けています。故に新潟直線競馬に強い血統が多くなってくるんですが、トニービンもその傾向があると思います。距離適性の問題でトニービンが直線競馬に出てくる事はあまり無いと思いますが、直線2000mみたいなコースが出来ればとトニービン(まあグレイソブリンとしても良いです)の独壇場だと思います。
トニービンといえば「満員電車に乗れない」という言葉で表現されるように馬込みが苦手です。これも上記のような特徴が裏目に出た結果です。広いコースで誰にも邪魔されず自分の走りたい通りに走れると強い。つまり目標にされるのも苦手なわけで、人気薄の方がありがたいタイプです。
それから、トニービンはあまり丈夫なタイプではないです。無理使いするとパフォーマンスが落ちる。サンデーは無理なギアチェンジにも耐える車体(馬体)を持っているけど、トニービンは無理が利かない分慎重に細かくギアチェンジする必要があるけどその分高いギアがある。ナスルーラ系でもう一つ特徴のある種牡馬といえばサクラバクシンオーですけど、バクシンオーはナスルーラなのに強引に高いギアに入れても耐えられる馬体を持っている分距離が持たない。こんなイメージで良いのではないでしょうか。


サンデーは逆に、直線競馬での勝率は他と比べてかなり落ちているはずです。サンデーといえば安田記念では買いたくないタイプという話は良く聞きますが、安田記念はずっとスピード出しっ放しの厳しいレースになり易いですからね。
どちらも直仔はもうほとんどいないですが、後継種牡馬にもこの傾向は部分的に引き継がれています。ちなみにサンデーサイレンスの後継候補アグネスタキオンの産駒は壊れやすいですが、アグネスタキオンの母父はナスルーラ系。この辺の場体の弱さが出ているのかも知れません。