(I might)GET LOUD

夏場が一番忙しい私の仕事も何となく一段落着いてきて、今日は夜勤明けで観たかった映画「ゲットラウド」を観に行ってきました。


ただ場所がねえ・・・
六本木ヒルズなんですよ。自分は業務上やむを得ず過去2回ほどここに来た事があるんですけど、何度来ても実に感じ悪い場所ですね。職場からの直行だったので「あんな所で昼食を取ったら一撃で破産してしまう。でもどうやらマックがあるらしいから数十年ぶりにマックで我慢してやるか。」とか思って行ったら、ビックマックが680円ですよ!島田紳助もびっくりの驚愕ぼったくりだよ。ひょとして自分の見間違いで680USドルだったかもしれないですけど。以下長々不満を書いたんですけど、読み返して自分でもびっくりするくらい侮辱発言連発だったのでまるっと自主規制。


という映画本体とは一切関係のない愚痴はここまでにして。


なぜわざわざこんなところまで映画を観に来たのかというと、もちろんそれだけの価値があると思ったからですよ。ジミー・ペイジとエッジとジャック・ホワイトがなにやらやるらしいという、それだけの情報でも夜勤明けで観に来てしまう位琴線に触れる物がある。
内容はですね。
ドキュメンタリー?
「まだエレキギター=ロックではなかった頃にプロとして活動を始めた男、毎週の様にテロが行われていたダブリンでパンクにノックアウトされてギターを手にした男、楽器を演奏する事自体がダサいとされていた「DETROIT "HIP-HOP" CITY」で一人引きこもってギターを弾いていた男、ロックの戦前、戦中、戦後三世代に育ったギターの天才達の栄光の奇跡〜」みたいなしょぼくさいあらすじは書こうと思えばいくらでも書けますけど、何よりこれは
「スーパースターを味わう映画」
だと思います。野球が好きな人なら、野球場に行って駐車場から中を覗いて「すげえ!!今〇〇選手が通ったよ!!」とかキッズに戻っちゃう、男女問わず誰の心の中にもある乙女心がキュンとなるあの感じ。情報化が進めば進むほど、反比例して世界中の何億人もの人の生き方にまで影響を与えちゃうようなスーパースターは生まれなくなってきちゃいますからね。「スクリーンでスーパースターに会える」という体験ができるという点において素晴らしい作品だと言えるのではないでしょうか。つまり上記3人に興味ない人には何にも価値が無いと思われますけどそれはそれでよし。潔い。


と、言う感想だけでは面白くないので・・・
気になった英語に関していくつか書いてみたいと思います。
まず全体的に、3人とも喋りが凄く聞き取りやすいです。巷に売られているTOEIC対策本のCDなんかよりよっぽど聞き取りやすい。英会話のリスニング練習用にDVDを買うのも有りかもしれません。まあ自分も素人ギタリストなので出てくる単語に馴染みがあるという点は大きいかもしれませんが、そういう意味でも「音楽好きで英会話力を上げようと思う人」には向いているかもしれません。一応お断りしておきますが、これはあくまで一回観ただけ、それも「え?天国への階段ってそんなローポジション弾いてたの?」とか画面に夢中になりながら流し聴いていた物なのであまり真面目にリスニングしたわけではありません。あしからず。


1)M&M
この映画の字幕担当は小林克也氏なんですけど、「M&M」を「チョコ」と訳してましたね。商品名そのままはまずいのでしょうか。英語ならいいけど日本語だとダメという基準も良くわからん。まあ日本の企業のコンプライアンスなんて全て理解不能ですけどね。ちなみに「M&M」をネイティヴは「エミネム」と発音します。EMINEMは昔M&Mのマークが入ったオーバーオール着てたんですよね。発音を着て思わずニヤリな単語ですね。
2)Lycée
エッジが学生時代の思い出を語る時に出てきた単語です。これはちょっと難易度高いかもしれないですね。フランス語だし。高校の事だと思って構わないと思います。学校制度は国によって違うから厳密に言うと違うんでしょうけど、いちいちエクスキューズをつけて揚げ足取りごっこしていたら会話にならないので。元々フランス語ですけどアメリカのニュースや雑誌にも出てくる単語だし、中卒パン職人キモアニオタデブニート(※一部経歴詐称有り)の自分ごときが画面に夢中になりながらも一発で意味を把握できるくらいなんだから、ヒルズにお住まいの超絶エリートビジネスマン(笑)の方々なんかにとっては当然常識単語でしょうね。
3)intoxicated
単語そのものを知らなくても字を見れば分かりますよね。「toxic」が「in」で受動態なんだから、「毒される=夢中にさせられる」という意味で使われている単語です。(確か)ジミー・ペイジがエレキギターに惹かれるようになった時の事を回想していた時に出てきた単語です。ちなみに映画:ソーシャルネットワークでもザッカーバーグが(確か)酒に酔った時にこの単語を使ってました。「好きになる、夢中になる。」という意味の言葉としてbe fond ofとかmesmerizedとかfascinatedとかenamoredとかaddictedとか色々覚えておくのもかっこいいかもしれません。「かっこいい!」っていうモチベーションは大事ですからね。でも恰好良さでも「intoxicated」が一番かなあ。個人的に。「私をこんなに夢中にさせて・・・いけない人!!」みたいな感じですね。
4)attitude
一番一般的な和訳は「態度」でしょうけど、小林克也氏は「メッセージ」と訳をつけていました。内向きな意味では無く外へアピールするニュアンスを込めているのでしょう。
この訳、一般的にはひょっとしてピンと来ないかもしれないですけど、個人的にはかなりビビビッと来ました。というのも自分は90年代の「attitude」時代のWWF(現WWE)が大好きなので。そして自分の中ではこの単語は「生き様」とか「レゾンデトール」みたいな意味だと解釈していたので。この辺りもし小林克也氏に聞く事ができるのなら是非お話を伺ってみたいですよね。
5)I can't(sing)
訳すまでも無い「歌えない」です。最後に3人がアコギ弾き語りをするんですけど、その時にジミー・ペイジが「I can't(sing)」って照れ笑いしながら言うんですよ。
ただそれだけなんですけど、どうもジミー・ペイジの「ca」の発音がカタカナの「カ」に近くて、「I can't」が関西弁で「あか〜ん」と言ってるように聞こえたんですよ。照れ笑いしながら。おいおいジミー・ペイジ最後にデレかよと。こんなとこにもクールジャパンかよと。
上記した様に最後はセッションで終わるんですけど、何度も練習した末にエッジとジミー・ペイジが「俺ずっと間違ったコード弾いてた!こうだ!」「お!その方がかっこいい!」とか微笑ましいやり取りがあったりして素敵です。この人たちクラスになると、コード進行を決めても全くオリジナルなボイシングをしたりして、勘違いがあっても「へ〜。こいつはこういうアプローチするのか」とか流しちゃうんでしょうね。エンドロールが流れるバックで演奏しているので「おい!エンドロールが邪魔でジミー・ペイジのソロの運指がみえねえよ!」と思わず怒鳴りそうになりましたが。


色々関係ない事も書きましたが、音楽好きなら幸せになる事は確実な映画といえるでしょう。あと何度も書いている事ですが、偉大な男はどこかかわいい。ジミー・ペイジに若干萌えた。