不二家の消費期限切れ食材使用問題で、世間は色々と大変ですね。
僕が某大手のベーカリーに居た頃、かなり食品の異物混入問題が流行ったんですよ。
流行ったっていう言い方はおかしいか?でも「流行った」っていう言葉がぴったりの雰囲気だったんだよなあ。
何かの事件で、食品に異物が混入していて、
それに対して結構な金額の慰謝料を請求する裁判があって
原告の訴えが認められて、どこだかの食品会社が結構な賠償金の支払いを命じられた
のがきっかけだったんですよ、確か。
それ以来やたらとその手の事件が頻発してですね。
一番印象深いのは、ポテトチップの袋の中にヤモリが入っていた、っていう事件なんですけどね。
写真で見たら体長が明らかに袋の縦の長さよりあるんですよ。
どう考えても袋を持った瞬間に気づくだろっていうくらいの。
そんな時に私が働いていた店にもクレームが来たんですよ。

「さっきお前の店で買ったパンに生きたナメクジが入っていた」っていうクレームが。

まあ、髪の毛が入っていたとかのクレームは、正直何年も店をやっていれば
全く無いとは言い切れないですよ。
もちろん絶対そんな事が無いようにみんな細心の注意を払って作業してはいますけどね。
会議で「パチンコ球がパンに混入」っていうクレームがあったって聞いた時も
「それはありえねえだろ?どっかの馬鹿がニュースにつられて、賠償金目当てで細工したんだろ?」
とか思っていたんですけどね。
生きたナメクジは想像の遥か斜め上でしたね。
正直妄想癖がある私もこれには負けました。
お客様が購入なさったパンは、210℃の火で15分ほど焼かれているんですよ。
普通死ぬだろ。

さすがにそれはおかしいと思った店長がその客の家まで行って
状況をどんどん問い詰めていくうちに、だんだんあいまいになってきて
結局向こうが謝って話は終わりになったんだけど、
その話を聞いた時、一人を除いて全員が怒るか笑うかしたのに、
唯一副店長だけが真剣な顔で
「○○君、いますぐ他にナメクジがいるかどうか工場内全部調べて!!」
と言ったのも想像の斜め上でしたね。
みんなから嫌われていたあの人、今頃どうしているのかな。

パンについてもっと知りたい方は、詳しくは私のサイトも是非ご覧下さい。→http://www1.ocn.ne.jp/~ribot/