直接パンの作り方などとは関係ない雑談ですけど、パン屋さんの話。
ほとんどの場合において、パン屋さんの仕事は製造と販売に分かれていて、当然製造の職人さんは朝早くから働いている分早く帰る。販売さんは閉店作業まで終わらせてから帰る。
デパートなどに入っている店舗の場合は最近はめったに定休日というものが無いのでシフトで交代で休みを取っている。路面店で定休日が決まっている場合は別ですけど、カフェ、レストラン等に売り掛けで製品を卸している場合は基本的に職人は定休日関係ない。
というわけで基本的にスタッフ同士の交流というものが少ないんですよ。まあお店によるでしょうけど。

で、私が以前いた某大手ベーカリーではご丁寧に旅行積立金というものを集めていてですね。年に1回強引に慰安旅行の予定を組まなきゃいけなかったんです。
ただ、慰安旅行といっても無意味に宴会やって終了ですからね。「その移動にかける時間と金が無駄すぎる」と主張して単なる食事会に変更してもらったんですよ。変に1泊旅行すると交通費で1万円程度はかかりますからね。1万円を食費に当てたらドンだけ豪華な食事会になるか。はっきり言って1万円って今の自分の食費1か月分ですから。国産マツタケの土瓶蒸しとか、まだ動いている伊勢海老とか、ふぐのフルコースとかを初めて高級料亭(というほどでもないけど)で食べましたね。余談だけど、あの頃は懐石料理にご飯がついてこないことに物凄く納得いかなかったけど、今なら多分納得しますね。

そんな感じで、他の店は課長とかに引きずりまわされて旅行でくたくたの中、ひっそり我々だけいい物食って文字通り美味しかったんですけど、ある年マネージャーが「今年こそは何が何でも泊まりの旅行でなければならない。何故ならそうしないと慰安できないから」と強硬に主張して(本当は家庭の呪縛から逃れたいだけ)、しょうがないから電車で30分くらいの某観光地に泊まりに行ったことがあるんですよ。まあ自分としては、正直家に帰るよりも近いくらいだから文句はないですけど、近所に住んでいる人たちはかなりブーブー言ってましたね。

で、そこはなんだか蕎麦が有名みたいで、泊まった翌日は蕎麦打ち教室みたいな所で自分達で蕎麦を作って食べるというイベントがあったんですよ。
簡素な建物に、人の良さそうな地元のおばちゃんたちが全て手作りで作りました、みたいな蕎麦打ち教室でした。
販売はみんな女の子、製造はみんな宴会明けの二日酔いでぐだぐだのガラの悪い集団だったので、おばちゃんたちは「女の子達は普段家でもお料理したりする素直な子達、男集団は料理なんてするはずもないただのクズ」という風に色眼鏡で区分けしているのが明らかな態度だったんですけどね。
職人チームは粉を目にするとスイッチが入って、がんがん捏ねはじめるんですよ。教える立場のおばちゃんたちが全く生徒についてこれないのも無視して勝手に伸ばして切って茹でて、挙句勝手に天ぷら揚げたり掃除を済ませて食べ始めたりしてですね。おばちゃんたち若干涙目で可哀想でしたね。まあ結局ガラが悪いんですけど。

なんて思い出し話。

詳しくは私のサイトも是非ご覧下さい。→http://www1.ocn.ne.jp/~ribot/