こないだとあるラジオ番組を聴いていたら、とあるお方が「私は食パンをぎゅっと握りつぶして丸めて食べる」と発言して
とあるもう一人のお方も「私もやる!その方がモチモチ感が有って美味しい」と同調なさっておられたんですね。


僕は以前パンの開発をしていたんですけど、その時にしょっちゅう言われたのが
「もっとふわふわで口溶けの良い物を作れ」って言う事なんですよね。


まあ言いたい事は分かるんだけどさあ。


パンって言うのは副菜と一緒に食べる主菜として考えなきゃ絶対ダメなんですよ。
いわゆる「食事パン」ですね。


もちろんクリームパンの生地とかは、クリームに合わせて口溶けの良い物にしますよ。
僕が作れないわけじゃないんで。


でもねえ。食事パンとして美味しいのは、もっちりとして噛み応えのあるものに決まってるんですよ。
パンはデンプンを添加した方が美味しいに決まってるんですよ。


あと、主食としてもパンはお米と違って食感をいじれる所が優れている訳ですよ。いじれるというか製法によって全然違う食感の物も作れるところが。だから食材に合わせたメニューを作れるわけです。もちろん口溶けの良いパンも良いですし、噛み応えのある、良く噛んで味わいのあるパンならそれに合わせた食材を合わせることも出来る訳ですよ。ここがご飯よりパンが優れている所です。