さて、私は一体何者かというと、
http://www1.ocn.ne.jp/~ribot/こちらのサイトを運営している、元:パン生地開発者なわけですよ。で、折角自分で研究して掴んだ知識や技術等をあえて惜しみなく、欲しい人には全てあげてしまえと思って上記のサイトを作ったんですね。
何でこんな事をしているかというと、率直に言って多分こんな事ができるのは世界中探しても多分ほとんどいないからなんですよ。
趣味でパンを作っている人はたくさんいるけど「自分がほしい知識が乗っている本やサイトなんて見たことがない。」っていう人がほとんどだと思うんですよね。
まあパンに限らず「薀蓄はどうでも良いから本当に必要な情報だけをジャストでくれ」って思うことは多いですけど。
先日某SNSの某トピに
ダノワーズとクロワッサンとヴェノワズリーの違いがわかりません。
家にある本を片っ端から読んでも解決しなかったので(余計にややこしくなりました)。
っていう質問をされた方がおられたんですね。こういう質問を見た時に「この人が本当に欲している情報はなんなのか」を把握する事が重要なんですよ。
ある親切な方が(何故か削除していたけど)「ダノワーズはデンマークのパン、ヴェノワズリーはウイーンのパンという意味です」と説明されていたんですけどね。それは確かに言っている事は合ってるんですけど、
家にある本を片っ端から読んだ
と言われている以上そんな事は百も承知で
「要するに全部油脂を折り込んだ生地じゃね?何か違いあるの?」
と言いたいんだと思うんですよ。だから僕の中での模範解答は


「『折り込み生地』に該当する言葉がないから、それぞれ自分の知っている言葉を使っているだけであって基本的には同じです。強いて特徴をあげるなら
クロワッサン=基本的に食事パンなのでややリーンな生地
ダノワーズ=フルーツなどをトッピングする目的の場合がが多いので基本的にやや甘めの生地
ヴェノワズリー=日本では一般的に「お菓子屋さんが作ったパン」なので甘い生地
つまり配合的にクロワッサン<ダノワーズ<ヴェノワズリーの順にリッチな配合と考えてよいと思います。職人によって配合が違っても全然おかしくはないので、これに該当しないケースが合ってもなんら不思議ではないです。」


みたいな感じですね。ていうか上にあげたような薀蓄説明だと
「ウイーン風の生地をデンマーク式の製法で作って三日月形に成型しました。このパンの名前はなんですか?」
みたいな問題が出た時に答え様がないと思うんですよね。あと、「パン屋さんの現場ではこういう使い分けをしてますよ」みたいな話もいれてあげられればベストだとも思うんですけど、残念ながら僕がいたパン屋ではこんなオサレな呼び方してなかったですね。ただ基本的にヴェノワズリーはパティシエがお菓子用に作った生地(ただしイーストが入っている)。クロワッサンとダノワーズ(デニッシュも同じ意味です)は同じ生地を使っているところも多いです。同じ生地で、高級そうな食材を乗せている製品だけを「ダノワーズ」と名付けている所も多いです。
一応僕のサイトでは(このブログもですけど)あらゆる点においてこういう答え方をしているつもりなんですよ。はっきりいってwikiで検索すればすぐ出てくるような薀蓄なんて何の役にも立たないと僕は思うので。
もちろんそういう薀蓄が大好きな種族もいますよ。っていうかほとんどの人がそうですよね。でも、例えば「Radioheadってどんなバンド?」って聞かれて「1985年にオックスフォードで結成。1992年にメジャーデビュー〜」とか言っても何の意味もないじゃないですか。大事なのは今飲んでいるワインが美味しいかどうかであって、何年産のどの地方のワインかとかそんな情報どうだっていいじゃないですか。
まあ、そういうどうでも良い知識ひけらかし人間の方が出世もするし尊敬もされるし金持ちになれるしモテモテだって言うことは百も承知なんですけどね。僕はそんなもん全く興味ないんで。
僕が欲しいのは「一撃で全てひっくり返せる拳」なんですよ。アーネスト・ホーストボブ・サップリバーブロー1発で壊したみたいな奴。
「あいつはどんな状態でも一瞬でひっくり返せる、どんな相手にでも勝つ可能性があるだけの一撃を持っている」と思われる人間になるのが理想ですね。暴力の話じゃないですよ。思想とか哲学のレベルでね。
まあそんな感じなんで私のサイト、むしろパンに全く興味ない人に読んでもらって感想を聞きたいのでよかったら遊びに来て下さい。お茶くらい出しますから。
http://www1.ocn.ne.jp/~ribot/