http://www1.ocn.ne.jp/~ribot/brioche2.html
↑これ先日私のサイトにうpしたパンのレシピなんですけど、実際作ってくれた方には妙に好評らしくて嬉しい限りですね。ていうか申し訳ない限りですね。ぶっちゃけ僕は今パン作りをしていないので、全部頭の中で計算しただけの机上の空論レシピなんですよ。ただ、自分の経験からすべて狙い通りの効果が今までの所出ているようなので、そこに関してはまあ自信があるんですけどね。
ちなみにこのレシピ、口溶け重視の改造版なんですけど、元バージョンはタイトルに「怒りの」とあるように以前日記で書いたいい加減なブリオッシュ評を叩き潰すべく採算度外視レシピを作ったので普通に店で売るなら¥300くらい取らないと採算合わないと思う。
というわけで、先日私のマイミクちゃんが自然食レストラン併設のパン屋の総シェフ?として就職したらしく、そこに書いてあった話から勝手に話進めますけど、
多分現在パン業界の中で一番研究を進めているのは冷凍生地を作っている会社なんですよ。次が製粉会社とか製油会社(マーガリンとか作っているところね)当たりで、ベーカリー勤務のパン職人は申し訳ないけどパン生地のことを分かっているとは言いがたいんですよ。相当変わった人じゃない限り。
僕は以前から「もし自分でパン屋をやるなら、惣菜パンとかは絶対にやら無い。食パンの専門店をやる」って言い続けているんですけど、冷凍生地もさすがに食パンだけは苦手分野なんですよね。まあ食パンは焼き立てを売る意味があまり無いので理にかなってはいるんですが。ちゃんとした食パンなら袋詰めのものでよいわけですからね。ここら辺山崎はやはりよく判ってるなと思うんですけど。
フランスパンとかは冷凍物は良くないというのが定説だったんですけど、最近は下手な職人が作るより全然質の高い物が出てきているらしいんですよね。ここら辺も酵素系の研究が進んできたからじゃないですかね。サイトの方で書きましたけど、酵素の研究って言うのも話を聞く限りなかなか楽しそうなんですよ。
これもパン職人はノータッチの世界ですからね。

ただし、実戦を一番経験しているのは当然ながらパン職人なんですよ。だから職人の経験もあって、生地の研究もしていて、会社員として経理とか人事とか総務的な能力も有って・・・みたいな人がパン屋を開くのがやっぱり一番だと思うんですよね。この先パン職人がパン屋開いても望み薄いと思うんで。
小麦の価格が高騰しているのはニュース等で皆さんご存知とは思いますけど、これって一時的な天候などによる物じゃなく、バイオ燃料としても需要が高まって小麦畑をトウモロコシ畑に変えちゃう農家が世界的に続出している事が原因なんですよね。昨年末の時点で製パン製菓の業界紙では「中小会社は壊滅的打撃」と言われていたのが状況がさらに悪化しているんだから現状ではあまりにも未来が無いんですよ。
そこら辺も踏まえて「パン以外の物とくっつかないと無理」とも言っていたんですけど、さすがにパンちゃん良く分かっていてレストラン併設のパン屋というのはまあ正解だと思います。
現実的にパン屋さんが絶滅するのもあまり望ましいとはいえないことだと思うのでじゃあそういうことも全て分かった人がパン屋をやらなきゃいけないとは思うんですけどそれができる人なんてほぼ絶滅種だと思うんですよね。ちなみに私の友人の、元フォーシーズンズホテルで2番手のパティシエだったくらいの実力者が、いまは地味にパート事務やってるみたいですけどね。そんな感じでまともに機能するパン屋を作れる人なんて、僕は2人だけ知っているんですけどね。多分やらないんでしょうね。
俺?嫌だよもう。パン屋なんて。