クリーム(クラプトンではない)

パンのフィリングにも当然流行り廃りというものがありましてですね。
僕が今年の頭まで働いていたパン屋でクリームパンを売っていたんですけど、ある日お客さんが「ここのクリームパンは美味しいから毎日でも買いに来たいわ」みたいなことを言っていたんですね。
そのパンを作ったシェフは大喜びだったんですけど、僕は「あぁやっぱりこの人何も分かって無いなあ」って思っちゃったんですよね。
その後ろで、子供がパンを引っ剥がしてクリームだけ舐めてましたから。
カスタードクリームにも流行というのがありましてですね。
炊き立て感を強調したザラッとした食感が流行った時もあるし、滑らかさ重視のクリームが流行る時もあるんですよ。今は滑らかな方が喜ばれてる感じがするんですけどどうですかね?
パンだってきっと美味しかったはずだって?ないないない。
その店は分割機が無くてですね。一つの生地に付き何千個という分割を全て手でやっていたんですよ。
最後の生地を分割した頃にはもう最初の方の生地は発酵しきってアルコール臭がしちゃってるんですよね。味もスカスカだし皮は厚いし美味い訳無いんですよ。
まあそれはともかく。
今の流行とは思えないミルククリームのレシピも近々公開する予定です。
ミルククリームといえばですね。
以前某スーパーのインストアベーカリーを立ち上げた時にですね。
そのスーパーの社長さんが「これは美味い!こういうのが売れるんだよ!」と言ったミルククリームがですね。
「これ、油の味しかしないよね?」としか言いようが無い代物だったんですよね。
みんなああいうのが好きなのかなあ。
味覚が「甘い<>甘くない」「しょっぱい<>しょっぱくない」
食感が「滑らか<>滑らかじゃない」
程度しかないと思われる人がたまにいるんですよねえ。ちなみに私の父親は鶏肉と豚肉と牛肉の違いを理解できてないです。
食べ物に限らず、ああいう「この人感覚の何かのチャンネルが閉じてるよなあ」って思う事が良くあるんですよねえ。皆さんは無いんですかね。そういう事。