パンダの親指

昨日のNHKスペシャルフサオマキザルを特集していました。
石で固い椰子の実を叩き割って、中のナッツを食べると言う猿。石、台、椰子の実と言う3つの道具を使いこなすのは相当な知能が必要らしい。
サルが道具を持つ事ができるのは、親指の位置が重要なんですよね。他の指とは垂直方向の指を持ち合わせていることが。
で、私がパンダ大好きでパンダ最強説を唱えている事は以前書きましたけど、
http://d.hatena.ne.jp/c-mad/20070920
おそらく「カンフーパンダ」なる映画が上映されているのは私のこの説が世間に大きな共感を与えたからに違いないんですけど、まあそんな妄言はどうでも良いとして、


こんな本があります。
内容は進化論の話で、難しい話はまあどうでも良いんですけど、パンダの親指に関する話では「誰でも知っている一部の構造が新しい機能に合わせて作り直されたもの」と説明されているんですよ。
前に書いた通り、「パンダの親指」というのは人間で言うと手首の出っ張りの部分なんですね。パンダは猿では無いので指が全て平行に並んでいるので物を掴む事が出来ない。そこで、出っ張った骨を指に見立てて物を掴める様に筋肉までもが変化していって現在の形になったと。この進化がなければパンダにカンフーなんて出来ませんぜと。


冒頭のフサオマキザルの例でいうと、「前肢」を「物を持ち上げる」と言う機能に合わせて「新たに作り直されたもの」が「腕」と言う訳ですよね。


このように、他の動物ではとても固くて食べられない椰子の実を独占できる様になると余裕が生まれるわけですな。フサオマキザルはちっちゃい猿(マーモセット)を養育している例も観察されているそうです。つまり遊びと言うか文化が生まれる。
そして軟らかい物を食べる事が出来る様になるので人間のように顎が退化するかもしれない。人間は顎が退化する事によって気道を自在に変化させて様々な声色を扱う事が出来る様になったそうだ。つまり送受信するデータ量が桁違いになる。
それに軟らかい物を食べられるようになると消化吸収が早くなるからエネルギー効率も上がるはずですよね。そして長ったらしい腸とかも必要無くなるかもしれない。身体の構造がもっとソリッドになるのかもしれない。
そんな風にして進化していくのかなとか考えるのも面白い。
あ、言うまでもないですけど僕は専門家でもなんでもないので正しいかどうかはどうでも良いんです。
僕が興味を持ったのは、進化にはウイルス説だの何だのありますけど、結局「元からある部位を機能に合わせて進化させる」と言う方角が正しいのだな、と言う事なんです。他から全く新しい物を持ってきて融合させようとしても拒否反応が出るんでしょうね。他球団のエースと4番を強奪するにしたがって人気がなくなっていくどこかの黒い球団みたいなもんだなと。
何かを作り出すにしても、全然関係ないところから全く新しい物を持ち出してきても身にならないんですよね。今の自分の手持ちの駒に「新しい機能を持たせる」っていう発想が良いのだなと思いました。って感想文かよ。終わり。