アクロバティックな演出って

以前も書きましたけど、ウチの近所のコンビニに「顔は江川紹子だけど声は坂下千里子」という世界十番目の不思議な店員がいるんですよ。ちなみに世界八番目の不思議がアンドレ・ザ・ジャイアント、九番目がチャイナね。
で、そのお方が最近とんでもない事になっているお化粧をなさっているんですよ。お化粧っていうかペイントっていうか塗装っていうか吹き付け工事というか、推定で厚さ5mm程度の塗料が吹き付けられていて顔の直径が1cm程肥大しているんですよ。ジャンル的には「建築」という部類だと思うんですよね。表情が作れないから常に無表情なんですよ。あれ押し入った強盗びっくりして帰るだろうなあ。きっと凄い冷え性で防寒対策の一環なんでしょう。中に断熱材が入ってるんでしょうね。


さて昨日「アクロバティックな演出」っていう話を書いたんですけど、原作の世界を押し広げるというかキャラクターの人格を深く掘り下げるための演出とかなら一見脈絡の無い事でもOKだと思うんですよね。全く関係ないパロディとか楽屋オチとかやられるとカチンと来るけど。例えば「ハヤテのごとく!」で「その声で髪の毛両結びにしとる奴はみんなツッコミに容赦あらへんなぁ」「はあ? なんのことかさっぱりネ(神楽口調で)」っていうのは声優が同じ釘宮理恵でしかも同時期に同じチャンネルで放映されているアニメのネタっていう根拠があるからアリだと思うんですよ。しかも直接は表現していないので。


で、僕は一応製パンの知識を世間に広く知らしめるサイトを作りたくて、そのパイロットとしてこのブログを書いているわけですけど、製パン理論の意図を解説するためのレシピもいっぱい書いているんですね。このレシピこそよく「アクロバティック」と解釈されているみたいなんですけど僕の中では思いっきり「ベーシック」なんですよ。格闘技で言うとアーネスト・ホーストボブ・サップをボディーブロー一発で壊した試合みたいなのが好みなんで。あの試合って、当時はボブ・サップを攻略する手段なんてあるのか?と思われていた時期で、あのボディーブローでボブ・サップが苦痛に顔を歪めて動きが止まった時に「そうか!これが答えだったのか!」って気付いたと思うんですよ。「ちゃんとしたパン作りの『仕組み』を理解していれば何の変哲もないレシピでもぜんぜん違う物にできるんだよ」っていう事を言いたいので。
逆に、僕の中でアクロバティックなのは、例えば「烏骨鶏の卵を使った食パン」とかそういうものなんですよね。製パンの理論に乗っ取ったアイディアの延長線上に出てきたのなら構わないんですよ。例えば「烏骨鶏の卵の卵白は蛋白質が特殊で熱を加えても固くならないから一般の鶏卵を使ったレシピとは食感がまるで違うパンが出来る!」みたいな根拠があって、それが数千円の金を出すに十分な価値があるだけの物だからどうしても烏骨鶏の卵を使用しなければ実現しない食パンだ!とかいう試行錯誤の元に辿りついた食材とか言うのならかまわないんですよ。


でも絶対に違うじゃん。そういう事を私は言いたい。そしてそういう意味で素晴らしい作品を毎回提供してくれる山本寛監督や水島努監督は最高だと言わざるを得ない。いや私も普通のテレビバラエティとかドラマとかでそういう作品があるなら観たいですよ?ないんだもん。