次に油脂について。

油脂の効果は語るまでも無く、滑らかさを製品に与える物
と考えておけばよいです。
あとは、水分の蒸発を防いで生地の乾燥を遅らせる、クラスト(いわゆるパンの耳の部分)を薄くする
等を押さえればよいでしょう。
というか、油脂の入っていない代表はフランスパンなので、
油脂の効果=食パンとフランスパンの違い
みたいな考え方でよいと思います。
ちなみにショートニングには、生地にサク味をつける効果があるので
ソフトフランス的なものを作る時には効果があります。
ただし、ショートニングは2〜3%程度で効果が出るので、
それ以上どんなに添加してもあまり良い効果は出ません。無駄になります。

油脂に関して最近最も関心が高いのは
トランス脂肪酸
でしょう。
簡単に説明すると、
マーガリン、ショートニング等人工的に作った油脂は、
常温でペースト状を保てるように
分子結合をいじってあるため、
自然には存在しない結合状態の分子が
人体に悪影響を及ぼす、ということですね。

欧米では規制が始まっているらしいですけど、
具体的にどれだけの摂取量でどんな影響があるのか
分からない上に、
日本人の食生活なら、
普通に摂取していても問題ないという話なので
「マーガリン、ショートニングを含んでいる製品=食べたら死ぬ」
と言う短絡的なものではもちろんないんですけど、
庭にマーガリンとバターを置いておくと、
バターの方は蟻が持っていくけど、
マーガリンはいつまでもそのまま虫も寄り付かないと言う
実験結果もあるらしいので、
あまり良い物ではないのかと。
少なくとも
「健康を考えてバターをやめてマーガリンにする」
というのは間違っているかと。

パンについてもっと知りたい方は、詳しくは私のサイトも是非ご覧下さい。→http://www1.ocn.ne.jp/~ribot/