ビル・グレンジャー

と、言うわけで。
WOWOWシドニーのエッグマスター、ビル・グレンジャー君がレシピを色々と公開しているんですよ。これが面白いんですよね。ていうか凄く僕に近い人間だと思うんですよ。こういう爽やかっぽい人間を僕が気に入るのはめったに無い事ですけど。
ビル君はスクランブルエッグで有名になったらしいんですけどね。彼の作るスクランブルエッグって、要するに「失敗したオムレツ」なんですよね。とは言っても批判じゃないです。むしろ褒めてる。
と言うのはですね。僕は常々「パンは手を加えないほど美味くできる。常に最小手数で作らなければダメ」と言い続けているんですけど、ビル君の発想は「オムレツの体を成す為の手間や火を通さなければいけないことすらも排除する」と言う所から来てますよね。僕が自分のサイトでフランスパンをあえてリュスティックとして紹介しているのも同じ事なんですよ。
日本で修行をした事があったりアジアの食材を重用してくれている事も好感が持てるし、朝食を最も重視していると言うのも正解ですよね。現代人のライフスタイルに合ってるかということを無視すれば。
僕の作るパンのレシピも一見すると凄く変化球に見えると思うんですけどね。全てちゃんと意味があるので実は結構シンプルなんですよ。少なくとも手に入らない高級食材とか高度な技術を要するレシピは無い。とか言いつつ明日の更新祭りでは普通じゃない食材使いますけど。
多分彼が僕のレシピを見たら「凄く分かりやすくて理にかなったレシピだね」と言う評価をもらえると思うんですよね。僕の彼に対する評価も近いんで。凄く頭がいい。そして凄く素直。
一つだけ言いたいのは、彼はステーキサンドに柔らかく口溶けの良いパンを使っているみたいだけど、どっしりとしたサーロインステーキを受け止めるにはもっと違うパンの方が良いと思うんですよ。俺の食パン食べさせたいなあ。そういう理由ならまたパンを焼いてもいいなとちょっと思う。