桜花賞アフター:改

今日始めて知ったんですけど、ザンギ(北海道流鶏のから揚げ)って衣に小麦粉と合わせて片栗粉使うらしいですね。
パン生地開発の専門家として瞬時に頭に浮かんだのは、元師匠の「パン生地には澱粉を添加した方が美味くなるに決まってる」というセリフです。
澱粉という物はすぐに糖=エネルギーに変わるからこそ優秀な栄養源なのであり、故に澱粉を多く含む穀物は世界各国で必ず主食になる訳で(という理由で自分の中ではジャガイモは主食扱いです)、そんな澱粉を過熱して摂取しやすい状態にしたものを美味いと感じるのは実に健康なわけですがそれはともかく。
片栗粉である理由も、美味しい肉汁を閉じ込めるとかそんな理由があるからこその起用なんでしょうけど、澱粉という部分にスポットを当てれば、食感を意識してマッシュポテトの粉末を粉に塗してみるとかそういう変化球もありなんじゃないかなあとか思いました。
こういう「質問箱に投書して答えを得ようとしても絶対得られないような思考」を求める問題を作れば、カンニング問題なんて起こらないのにね。そういう人間を重用するような世の中だったら日本も沈没する事無かったのにね。残念。

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さて、再び桜花賞の話です。
どうにも競馬をまともに観るのが久しぶりだったせいで直感に思考が追いつくのに丸一日かかっちゃったので再エントリーですけど、結論から書きます。今年は桜花賞オークスは結びつかないと思います。
何故か。
昨日の阪神芝のレースをぼんやりと眺めていて、「なんだか中山みたいなレースだな」と思っていたんですよ。中山特注のサンデー×トニービン産駒のリンカーン産駒が活躍したりしてたし。
そしていざ桜花賞を観て「なんだか昔の旧コース桜花賞みたいだな」と思ったんですね。団子になって最後は後ろからズバッと来て。


事前予想の時点で「コース改装以降桜花賞は上がり最速が馬券に絡まないレース」と書きました(09年は異常外差し馬場だったので例外)
具体的な各年の上がり最速馬と着順は以下の様になります(数字は当該馬の上がりタイム/レースの上がりタイム)。


10 シンメイフジ(6着)33.8/34.4
09 ブエナビスタ(1着)※上位3頭が全て上がり3位以内、上位4頭が4角12番手以降で大外をぶん回してきた超ウルトラ外差し馬場 
08 リトルアマポーラ(5着)34.3/35.9
07 ローブデコルテ(4着)イクスキューズ(5着)33.5/33.9


あまりに異質だった09年を除いて平均5着。一般的なイメージと裏腹に「瞬発力の有る馬が勝つ訳ではない」という事が分かると思います。
名前を見れば分かるように、その後も実績を残した馬の名前がずらりと並んでおり、ただ単に最後方から形だけ上がり1位になった馬ではないことが分かると思います。
それでも、コース改装後突然桜と樫のコネクションが強力になった。これは「現行コースの桜花賞オークスを連続好走できるような馬は、マイルGIで上がり最速を出してしまうような過度の切れ味は不要」という事を指し示しているのではないでしょうか。


一方旧コースでの桜花賞
06 キストゥヘヴン(1着)34.9/35.8
05 シーザリオ(2着)34.4/35.5
04 ダンスインザムード(1着)34.2/34.6
03 アドマイヤグルーヴ(3着)34.5/35.5
02 ブルーリッジリバー(2着)35.1/35.8
01 ムーンライトタンゴ(2着)34.6/34.9
他にもプリモディーネファイトガリバーオグリローマンと言った名牝が上がり最速で桜花賞を制しています。
平均1.8着。現コースとの差がくっきりと出ています。一般的イメージ違って、「直線が短い方が瞬発力が活きる」という事が良くわかりますね。


そして今年の桜花賞は、レースの上がり35.4秒に対し上位3頭はそれより1秒強速いタイムで並んでほぼ横並び(1,2着が上がり34.2、3着が上がり34.1)でした。数字そのものやレース上がりと自身上がりのバランスまで明らかに「旧コース桜花賞似」と見て差し支えないと思います。
ちなみに今年優勝したマルセリーナは母父ラストタイクーン系ですが、ラストタイクーン阪神JF桜花賞で連続大穴を開けたアローキャリーの父であり旧阪神内回りコースでの特注血統だったんですよね。ついでに旧阪神コースは内回りだけにダート実績やダート血統も重要だったんですけど、今年2着のホエールキャプチャはダート血統のクロフネ産駒、3着トレンドハンターはついこないだまでダートばっかり走っていた馬でした。
以上から考えて、やはり今年の桜花賞は旧コース時代の桜花賞と同じ=オークスとは結びつかない。と解釈します。


ちなみにそれぞれの年にオークスで好走した馬はというと、
06=別路線組のカワカミプリンセスが優勝。桜花賞で何も見せ場が無かったフサイチパンドラが2着。
05=シーザリオが優勝。桜花賞で差し届かず4着のエアメサイアが2着。
04=桜花賞で見せ場無く7着のダイワエルシエーロが優勝。桜花賞差し届かず5着のスイープトウショウが2着。
03=桜花賞優勝のスティルインラヴが2冠(後に3冠)。別路線組のチューニーが2着。
02=桜花賞で6,7着のスマイルトゥモローチャペルコンサートがワンツー。
01=別路線組のレディパステルローズバドがワンツー。
なので、今年は桜花賞で中位の着順に終わった馬か別路線組が有力ではないでしょうか。