前にも書きましたけど、今年のモバックを見に行って妙に目に付いたのは
「安全衛生」に関わる設備だったんですね。
まあ、今まで以上に安全衛生に対する関心が高まっているご時世だから多かったのか、
電車の中で読んだ東スポの1面が「ペコちゃん、アンパンマン破局」だったから個人的に目に付きやすかったからなのかは知らんけど。

で、厨房の入り口に設置する設備で「靴についた泥を除去する機械」みたいなものを見て、衛生とはちょっと違う面のことを思い出したんで書いておきますね。

土の中に含まれている土壌菌の中に「ロープ菌」と言うのがありまして、これがパンに入ってしまうとパンの組織を腐敗させてねっちょり糸を引いた状態になります。
で、一度ロープ菌が入り込んでしまうと駆除できないので、お店そのものを潰さなければならないことになります。恐ろしい。



で、この「ロープ菌」と言う物は実は納豆にも含まれているので、パン屋さんの厨房では納豆厳禁です。昔ながらの藁に包まれた納豆なんか完全アウト。笹などにもよく付着しているらしいのでこれも厳禁ですね。「新鮮な野菜を使いたい」とか言って土のついた野菜とかを持ち込むのもかなり危険ですね。ロープ菌自体は毒ではないですけど、カビの発生を防ぐので農薬として使用される事もあるので、とにかく植物関係全般は厨房に持ち込まないようにしましょう。
パン工房って言うのは菌が繁殖しやすい環境をあえて作ってあげているのだから、当然カビとか雑菌も繁殖しやすい環境を自動的に作っているんですよね。
それでも大概の雑菌は熱で死ぬんですけど、納豆というものは、茹でた大豆を熱いうちにパックに移す事で熱に強い納豆菌以外の雑菌を死滅させる事で成立する食品らしいので、
熱に強くてパンをダメにする細菌って、パン屋的には最強の敵ですね。まあ私は納豆好きなんで、家では無視してバンバン食ってますが。

ちなみに私が前に働いていた店のシェフは「フリーズドライの納豆を練りこんだパンは美味しい」と言っていました。フリーズドライにすると納豆菌は死滅するんですかね?良く分からないですけど、かなり危険な技だと思います。

まあ、ロープ菌が発生してパン屋が潰れたなんていう話はここ何十年も無いみたいなので、ほんの豆知識ですけど。

家庭でパンを良く焼く方もちょっと知っておいたほうが良いかもしれないですね。
まあ、納豆菌が繁殖しまくった家なんて、パン以前に問題あり過ぎですけど。

詳しくは私のサイトも是非ご覧下さい。→http://www1.ocn.ne.jp/~ribot/